( 266224 )  2025/02/16 17:03:19  
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トヨタがヤマト運輸向けに開発した「クイックデリバリー」という箱型の車両は、荷物の仕分けをしやすいように中腰に配慮された高さ2.5mの車両だった。

ヤマトと共同開発された当初はクロネコヤマト専用車だったが、後に一般販売もされ、花屋やクリーニング店など他業種でも利用された。

2016年には販売終了となったが、移動販売車やキャンピングカーとして再利用される例も増えている。

(要約)

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ヤマト運輸でお馴染みのクルマは、「クイックデリバリー」という車種で、トヨタがヤマトのオーダーを受けて専用開発したというユニークなクルマだ。のちに一般販売され、キッチンカーなどの別分野でも活躍している。 

 

 箱型のスタイルが印象的なトヨタのビジネスバンであるクイックデリバリー。この車両は車名のごとくクイック(迅速)にデリバリー(配達)をするために生まれたものだ。 

 

 というのもこのクイックデリバリーは、クロネコヤマトで知られるヤマト運輸が快適かつ高効率な配送を実現するために開発を依頼して誕生した車両だったのである。 

 

 ヤマト運輸の希望は、「車内での作業時に腰を屈める必要のないもの」で、中腰状態で荷物の仕分けなどをして腰を痛めたりしないようにという配慮がなされており、それ以外ではウォークスルータイプとすることで、いちいち運転席から降りて荷台にまわることなく、運転席からすぐに荷室にアクセスできるようにもなっていた。 

 

 そのため、全高は2.5mほどとかなり高めで、なんとなくユーモラスなスタイルとなっていたのだが、働くクルマということで、ベースとなっているのは1~2トンクラスのトラックで、低床かつフラットな床を実現するためにジャストローのシャシーが使用されていた。 

 

 当初はヤマト運輸との共同開発で生まれたモデルということもあって、クロネコヤマト専用車として供給されていたが、のちに一般発売をスタートすると、運送会社だけでなく花屋やクリーニング店、アパレル関係といった他業種のほか、キャンピングカーや移動販売車のベースとしても選ばれることが増えていったのである。 

 

 そんなクイックデリバリーであったが、積載力がそこまで高くない割にコンパクトでもないクイックデリバリーは使いにくいケースが増えるようになった。また、配送方法についても拠点まで大型トラックで一気に配送し、そこからは小型トラックや軽商用車で配送先へ向かうというのが主流となった。 

 

 そのためクイックデリバリーは2016年にヒッソリと販売終了となってしまったのだが、現在はその立って移動ができるウォークスルーバンという特徴を生かして、移動販売車やキャンピングカーとして第2のクルマ人生を歩む個体が増えており、中古車情報サイトなどではリメイクがなされた個体を見ることができる。 

 

 もともとトラックがベースとなっていることから、耐久性は折り紙つきのクイックデリバリー。もしかしたら配送業とは違うところで再び脚光を浴びることになるかもしれない。 

 

小鮒康一 

 

 

 
 

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