( 266344 )  2025/02/16 19:13:36  
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山陰放送では、芸能人やスポーツ選手が関わるオンラインカジノ問題が大きな焦点となっている。

若者の中にはオンラインカジノが違法だという認識が低く、20代の若者がギャンブル依存症に陥るケースも増えている。

それに対し、ギャンブル依存症の当事者だった女性が全国で啓発活動を行っており、オンラインカジノ問題で被害を受けている若者を守るために高校生や大学生を対象とした啓発活動を充実させたいとしている。

(要約)

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山陰放送 

 

芸能人やスポーツ選手などが関わっていたとして「オンラインカジノ」が大きな問題となっています。 

そもそも、オンラインカジノが違法だと知らない若者も少なくなく、20代などの若者がギャンブル依存症に陥るケースも増えてきているといいます。 

自身もギャンブル依存症の当事者だった女性が、いま全国で啓発活動を行っています。 

 

「ギャンブル依存症問題を考える会」の代表を務める田中紀子さん。 

 

田中代表は、自身も長くギャンブル依存症に苦しんだ1人です。 

 

■▼日本でオンラインカジノは「違法」- 

 

田中代表よると、関西のある大学ゼミで、オンラインカジノに関する意識調査を行ったところ、「違法」だと答えた人は全体のわずか17.4%。半数以上にあたる56.5%が「グレーゾーン」と回答し、「合法」だと答えた人は26.1%だったということです。 

 

背景には、オンラインカジノの広告塔として、有名ユーチューバーやスポーツ選手などが起用されている問題があり、「有名人が宣伝しているなら大丈夫」と信じてしまう若者が多いといいます。 

 

ギャンブル依存症問題を考える会 田中紀子 代表 

「本当に啓発が足りてなくて、自己責任論が蔓延してしまっています。『相談してもどうにもならないだろう』と思っているご家庭やご本人が問題を抱え込んでしまって、どんどん問題が悪化しています。 

 

まずはオンラインカジノ問題で被害を受けている若い人たちを守っていきたいと思っているので、高校生・大学生に対する啓発、これを充実させていただきたいと思っています」 

 

■▼ギャンブル依存症当事者の「低年齢化」進むー 

 

ギャンブル依存症問題を考える会が行ったアンケート調査によると、コロナ禍の巣ごもり需要以降、当事者の低年齢化が進んでいて、2023年の調査では20代〜30代の相談が約75%を占めています。 

 

また、会に寄せられた、オンラインカジノの相談件数は、2019年には8件と全体の4.3%でしたが、2023年には97件と全体の20.3%にのぼっています。 

 

 

会には、高校生が親の口座にアクセスし、オンラインカジノ(スポーツベット)で600万円使ってしまったという相談が寄せられていて、高校生までオンラインカジノに手を出してしまっている実態もあるということです。 

 

■▼自身もギャンブル依存症及び買い物依存症の田中代表…克服への道のりはー 

 

祖父、父、夫がギャンブル依存症で、自身はギャンブル依存症及び買い物依存症の当事者だったという田中代表。 

 

ギャンブル依存症に陥っていた当時の状況をこう振り返ります。 

 

ギャンブル依存症問題を考える会 田中紀子 代表 

「最後は本当に競艇に1日200万使ってました。本当に自分でも、何とかしなきゃいけないと思ってるんですけど、解決策が、ギャンブルで大きく当てることってなっちゃう。負け追いですよね。 

 

大谷選手の元通訳・水原氏も言っていましたけど、ギャンブル依存症だと、解決策もギャンブルで、どんどん視野が狭くなってしまうんです。 

 

まさに私もその状態で、解決するには、ギャンブルで一発当てるしかないって本当に思っていました。借金はトータルでは3000万ぐらいありました」 

 

そうした状況から、どのようにして、病気を克服したのでしょうか。 

 

ギャンブル依存症問題を考える会 田中紀子 代表 

「自助グループです。同じ経験をした人たちが集まって、いろんな話をしてると、『みんなの話が私と一緒だ』みたいな。自分が話すこともそうだし、話を聞くっていうことが重要だと思います」 

 

自助グループに参加しながら、約4年間再発を繰り返し、その後約2年ギャンブル止め続け、やっと楽になれたなと思ったのは、治療の開始から6年経ったときのことでした。 

 

ギャンブル依存症問題を考える会 田中紀子 代表 

「ギャンブルをしていない時は、ドーパミンの機能不全、ものすごい脅迫観念と衝動が襲ってくるんです。 

 

嫌な考え、嫌な記憶、嫌だった出来事みたいなのが、ずっと頭ん中が浮かんでくる。ギャンブルと買い物をしているときだけ忘れられるみたいな感覚で…いま考えたら、あれが病気だったなと言われると、本当につらかったなと思います。 

 

自分の意思ではどうにもならない『病気』なんですけど、病気だからこそ回復できるのであって、これが人格の問題だったら希望も何もない。やはり回復できる病気というところが、すごく重要かなというふうに思ってます」 

 

山陰放送 

 

 

 
 

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