( 266449 )  2025/02/17 04:37:06  
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日本の様々な業種で外国人材が欠かせない存在となっている。

そのため、外国人労働者を引き続き惹きつけるためには、外国人がどのように日本を見ているかに注目すべきである。

外国人材を受け入れる上で大切な考え方や態度について、外国人労働者の実態を紹介している。

 

 

外国から来た人々に対する日本人の態度は時代遅れであり、特に地方在住や年配者には古い感覚や差別意識が残っている場合もある。

しかし、外国人材を必要とする時代の中で、適切な態度や対応が重要であり、外国人を下に見る感覚は持ってはいけないと示唆されている。

外国人材の受け入れや扱いに対して適切なアプローチが必要であり、企業が外国人を雇う上での配慮や態度が進化することが重要とされている。

 

 

外国人材の受け入れができない企業は、人を雇う側として基本的なことができていないとみなされる可能性があり、外国人材を適切に受け入れられる態度や考え方の必要性が強調されている。

(要約)

( 266451 )  2025/02/17 04:37:06  
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さまざまな場所で活躍する外国人人材 

 

 日本のさまざまな業種で、外国人材なしには立ちゆかなくなっている。円安で日本の魅力が低下している今、外国人労働者に選ばれ続けるためにはどうすればいいのか。そのヒントになりそうなのが、外国人材は日本をどう見ているかという視点だ。そこから見えてきたのは、時代遅れの日本人の意識だった──。 

 

 外国人材と人手不足の日本企業を多数マッチングしてきた「株式会社ジンザイベース」の代表取締役・中村大介氏が、外国人労働者の実態を綴った『日本人が知らない 外国人労働者のひみつ』(白夜書房)より、外国人材を受け入れるうえで大切な考え方をお届けする。(同書より一部抜粋して再構成)【全4回の第4回。第1回を読む】 

 

 * * * 

 インドネシア人女性は、日本人と接するなかで「?」と感じることがあっても、たいていは「多分、外国人に慣れてないだけだ」と思って流しているという。 

 

 そんな彼女も、初めて来日したときにはいまだに忘れられないショッキングな経験をしている。 

 

 まだコロナ禍の時期だった。日本での最初の職場がある京都に来て、1週間ほどしたある日、散歩をしていて花屋を見つけた。花好きな彼女が店に入っていくと、突然、店にいたおばあさんに「何しに来たの」と言われた。そして「あなたが来たからコロナが増えているんですよ」とも言われた。 

 

 さすがにショックだったそうだ。無理もない。 

 

 ここまでひどい話でなくても、「レジスタッフをしていたとき、名札を見て外国人だとわかって、違う列に移動した」(ベトナム人女性)みたいな話はよく聞く。 

 

「日本語でコミュニケーションができるか心配で、それで日本人が対応している列に行ってるかもしれないし。僕はそれぐらいはあんまり気にしないですね」(ミャンマー人男性)という人もいるが、やはり褒められた行動ではない。 

 

 私が感じるのは、日本人でも年配の方と若者世代とでは育ってきた背景の違いが大きく、それが外国人に対する態度にも現れているということ。 

 

 特に、外国人と接触する機会が少ない地方在住、かつ年配の方となると、古い感覚が濃いめに残っている。若い世代では死語になっている外国人への差別呼称を普通に使う人もいる。時代を間違えているのだ。 

 

 

 正直なところ、ご年配の方々の感性を今から変えようというのは難しいとも思う。だが、外国人材とともに働く現役世代の人たちは、外国人を下に見る感覚を間違っても残存させていてはいけない。 

 

 日本で働くことの金銭的なメリットはどんどん目減りしている。円安のせいばかりではない。たとえば今、日本で働く人が増えているインドネシアは、20年後には日本を抜く経済大国になると言われているのだ。 

 

 こうした時代の推移を把握せず、いまだに上から目線で接しているようでは、外国人材に選ばれない国になってしまう。特に人手不足で外国人材を必要としている地方ほど、深刻な事態が起きる。けれども、いまだに「奴らは日本に来たがってるんだから大丈夫」「うちの会社に定着しないあいつらはおかしい」という感覚でいる会社もたくさんあるのだ。残念なことに。 

 

 それに対して、初めて外国人を雇う会社、これまで外国人との接点が少なかった会社にありがちなのが、「外国人だからといって構えすぎてしまう」こと。もちろん文化の違いなど気をつけなければいけないことはあるが、あくまでも「普通の人」を相手にするという意識も大事である。 

 

 日本人と言っても、出身地によって気質や文化の違いはある。性別によっても配慮しなければならない点は異なる。それでも、まともな企業ならば「みな同じ人間」という原則のもとに扱うはずだ。 

 

 ひと昔前まで「男の職場」だった会社でも、今はどこも女性社員へのセクハラ防止の配慮ができている。かつてはどう扱っていいかわからない「部外者」だった女性たちを、ちゃんと受け入れられるようになったわけだ。 

 

 働く人の国籍の違いも、同じように考えればいいのだ。 

 

 逆に言うと、外国人材の受け入れができない会社は、人を雇う側として当たり前のことができていない、という実態を露呈させているとみなされても仕方ない。 

 

(了。第1回を読む) 

 

 

 
 

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