( 267229 )  2025/02/18 17:10:13  
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20万~30万円台の格安軽自動車にはリスクがあることを指摘。

年式が古かったり走行距離が長かったり、車検が残っていなかったり、修復歴のある車だったりする可能性があり、安く購入したつもりが結局は追加費用がかさむことも。

購入時には走行距離や状態、車検の有無や期間、修復歴など詳細にチェックして信頼できる販売店を選ぶことが重要。

(要約)

( 267231 )  2025/02/18 17:10:13  
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軽自動車(画像:写真AC) 

 

 街を歩いているとふと目に留まる、個人経営と思しき小さな中古車販売店。店頭には色褪せた旗がはためき、簡素な看板に「格安軽自動車あります!」と書かれている。ふと足を止めて眺めてみると、価格は驚きの20万~30万円台。 

 

「こんなに安く車が買えるのか?」 

 

そう思うのも無理はない。最近は新車どころか中古車の価格も高騰していると聞く。そんななかで、この価格は破格といえるだろう。 

 

 とはいえ、安いには安いなりの理由があるはずだ。果たして、このような格安軽自動車は買っても大丈夫なのか。購入後に思わぬ出費がかさむ可能性はないのか。本当に「お得」なのか。 

 

 中古車市場の実態を踏まえつつ、この疑問に深く切り込んでいく。 

 

軽自動車(画像:写真AC) 

 

 まず、20万~30万円台の中古軽自動車が市場に出回る背景を整理する。中古車の価格は、車両の状態や年式、走行距離、人気の有無、修復歴などによって決まる。特に「安すぎる」車には、いくつかの共通点がある。 

 

 年式が古い、または走行距離が長い車は価格が大きく下がる。日本では、10年以上経過した車や走行距離が20万kmを超えた車は「耐用年数」を超えているとみなされることが多い。特に軽自動車は小型でエンジンに負荷がかかりやすく、走行距離が20万kmを超えるとエンジンやミッションの不具合が発生しやすくなる。もちろん、メンテナンスが行き届いていれば長く乗れるが、安価で売られている車が必ずしも丁寧に整備されているとは限らない。 

 

 車検の残り期間が短い、またはすでに切れている車も多い。格安車の中には、数か月以内に車検の更新が必要なものが少なくない。軽自動車でも車検費用は最低5万~10万円ほどかかるうえ、車検を通すために修理が必要になればさらに出費がかさむ。「安く買えた」と思っても、結局は車検代や修理費で割高になってしまうこともある。 

 

 過去に事故を起こして修理された「修復歴車」も少なくない。修復歴のある車はフレームにダメージを受けている可能性があり、安全性に不安が残る。また、外装の傷やへこみ、内装の汚れや破損が目立つ車も安く売られる傾向がある。見た目を気にしないなら問題ないが、長く乗るうちに不具合が気になることもあるだろう。 

 

 不人気車種や特殊な仕様の車は価格が下がりやすい。人気車種は中古市場でも高値で取引されるが、需要が低い車は安く売られることが多い。また、小規模な中古車販売店では、業者オークションなどで安く仕入れた車をそのまま転売している場合がある。仕入れ価格が安いため販売価格も低く設定できるが、点検や整備が十分でないこともあるため注意が必要だ。 

 

 

軽自動車(画像:写真AC) 

 

 20万~30万円台の軽自動車を購入するなら、慎重に状態を確認する必要がある。特に、車両のコンディションを細かくチェックすることがリスクを減らすうえで欠かせない。 

 

 まず、走行距離が20万kmを超えているかどうかを確認する。走行距離が長くなるほどエンジンやミッションに負担がかかり、不具合のリスクが高まるからだ。エンジンやミッションから異音がしないか、オイル漏れや冷却水の漏れがないかもしっかり確認する必要がある。ブレーキの効き具合も重要で、制動力に問題がある車は安全面で不安が残る。試乗が可能なら実際に運転し、加速やハンドリングに違和感がないか確かめるといい。 

 

 次に、車検の残り期間を確認することも忘れてはいけない。車検が切れている車を購入すると、車検費用がそのまま追加出費になるからだ。車検の有無だけでなく、残り期間がどれくらいあるのかも把握しておく必要がある。 

 

 修復歴の有無も重要なチェックポイントだ。販売店に確認するだけでなく、可能なら事故歴や修理履歴を見せてもらうと安心できる。修復歴がある車はフレームにダメージが残っている可能性があり、安全性に直接関わるため慎重に判断すべきだ。 

 

 最後に、販売店の信頼性を見極めることも欠かせない。購入後のトラブルを避けるためには、保証がついているかどうかを確認したい。最低でも3か月から6か月程度の保証があると安心だ。さらに、GoogleレビューやSNSでの評価を調べ、実際の利用者の声を参考にするのも有効だ。信頼できる店を選ぶことが、後悔しない買い物につながる。 

 

軽自動車(画像:写真AC) 

 

 結論として、20万~30万円台の軽自動車は「買えるが、慎重に選ばなければ後悔する」カテゴリーの車だ。車両の状態がよく、車検が残っているものを選べば、お得に乗れる可能性がある。 

 

 一方で、車検が切れていたり、修復歴がある車は、追加費用がかさむリスクが高い。販売店の信頼性を確認し、最低限の保証があるものを選ぶのが無難だ。 

 

「安く買えた」と思っても、維持費がかさめば本末転倒になる。修理費や車検代を含めた総コストを考えながら、慎重に判断する必要がある。 

 

 街角の小さな中古車販売店で見かけた一台。それが単なる「激安車」なのか、それとも「掘り出し物」なのか。その見極めが、賢い買い物への第一歩となる。 

 

ハプスブルク吉野(ビークル愛好家) 

 

 

 
 

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