( 267384 )  2025/02/19 03:51:23  
00

兵庫県姫路市の自民党市議である高見千咲氏がSNSで物議をかもす投稿を繰り返し、議員政治倫理条例に違反した疑いがあるとして政治倫理審査会が設置された。

知事選ではデマ交じりの中傷がSNSで広がり、兵庫県警が捜査を進めている。

さらに、元県議の竹内氏が急死し、SNSでの批判を受け自死したとされている。

高見氏は竹内氏への虚偽情報の拡散に関与している疑いがあり、県警から削除や訂正を求められているが、高見氏はそれを嘲笑するような発言を繰り返し、物議をかもしている。

(要約)

( 267386 )  2025/02/19 03:51:23  
00

高見氏(左)と斎藤知事 

 

昨年11月に行なわれた兵庫県知事選の前後にSNSで物議をかもす投稿を連発していた兵庫県姫路市の自民党市議に対し、同市議会は議員政治倫理条例に違反した疑いがあるとして政治倫理審査会(政倫審)を設置した。知事選において、デマ交じりの誹謗中傷がSNSで飛び交ったことについては兵庫県警が捜査を進めており、兵庫県政の大混乱はいまだ収束する気配がない。  

 

対象になったのは市議1期目の高見千咲氏(30)。所属する自民党会派を含む市議会主要8会派が「不適切な投稿を繰り返して議会の品位と名誉を害した」として弁明を聞く政倫審の開催を要求しており、事実上、市議会全体が高見氏のSNSを問題視していた。 

 

知事選を巡っては、斎藤元彦知事のパワハラや公金不正支出疑惑を調べる県議会調査特別委員会(百条委)のメンバーだった竹内英明元県議(50)が1月18日に急死するという出来事があった。 

 

「竹内さんは独自に集めた情報で百条委の調査をリードする存在でした。ところが知事選に『斎藤知事を応援する』と言って立候補した立花孝志NHK党党首らが『疑惑は嘘で斎藤氏はハメられた』と主張し、“黒幕”と名指しされた竹内さんはSNSでものすごい非難を浴びたんです。 

 

選挙の途中からは、奥さんが一人で守っていた事務所に対し、電話やメールでの攻撃も続き、竹内さんは『家族を守りたい』として選挙翌日の昨年11月18日に県議を辞職しました。ところがその後も自宅前にゴミがばらまかれるなどの嫌がらせが続き、その末に竹内さんは亡くなりました。自死とみられています」(地元記者) 

 

1月19日に竹内氏の死去が報じられると、立花氏は「竹内氏は明日逮捕される予定だったそうです」「警察に捕まるのがいやで自ら命を絶った」と主張し、この発言もSNSで拡散した。 

 

「立花氏のこの言動に兵庫県警の上層部は激怒しました。その日のうちにメディア3社に対し立花氏の発言は虚偽だと説明したんです」(県警担当記者) 

 

さらに翌1月20日午前、県警トップの村井紀之本部長が県議会で「竹内元議員につきましては、被疑者として任意の調べをしたこともありませんし、ましてや逮捕するといったようなお話は全くございません。全くの事実無根でありまして、明白な虚偽がSNSで拡散されていることにつきましては極めて遺憾であるというふうに受け止めております」と異例の発言をし、デマの拡散にストップをかけた。 

 

 

ところがこれを否定する根拠不明な話を発信したのが高見氏だ。 

 

村井本部長が県議会で発言した日の夜、高見氏はXに、 

 

〈そもそも、兵庫県警の内部では知事選において、特定候補(斎藤知事ではない)の応援をするように通達されていたと聞いたんですけど、だとしたらまあ今回の常任委員会でのやりとりも納得できる話。〉 

 

と投稿し、県警は斎藤氏の対立候補を裏で応援しており、村井本部長の発言には政治的思惑があると暗に主張したのだ。 

 

「荒唐無稽な発信ですが、現職の市議だけに県警は看過できないとみました。そのため県警は高見氏が所属する自民党県連に対し、ポストの削除や訂正を求める申し入れをしたんです」(地元記者) 

 

すると高見氏は1月25日に、 

 

〈県警が否定したらしいけど、そりゃそうやろw認めるわけないやろwすぎて話にならない。やっちゃいけないことしてたんだからね。隠蔽するに決まってるでしょ。否定してるからって、事実じゃないってことにはなりません〜〉 

 

と投稿。県警の要請を嘲笑してみせたのだ。 

 

こうした発信を重ねる高見氏は、知事選で斎藤氏の陣営にいたと主張する人物だ。Xでは選挙期間中から「私はボランティアじゃありません。選対の人間です」「私は選対本部の人間」などとポストし、斎藤氏の応援演説の場で聴衆整理に当たる姿も目撃されている。 

 

「選挙に絡んで高見氏は、勝手連的に生まれたボランティア部隊が『暴走して選対に迷惑をかけた』と主張したり、『出禁にした』と宣言するポストをしたりしています。 

 

斎藤氏の陣営に絡んでは、公選法で禁止されているSNSによる有償の選挙公報を行なった疑いで西宮市のPR会社の関係先が兵庫県警と神戸地検の合同家宅捜索を受けるなど、違法行為がなかったかの捜査が進んでいますが、陣営そのものもまとまりがなかったようです」(地元記者) 

 

一方、高見氏の1月の発信に対し削除要請という穏便ともいえる行動に出た兵庫県警だが、それだけでは済まない可能性があるとの声も出ている。 

 

「SNSが情勢を大きく変えたと言われる兵庫県知事選は、竹内元議員を追い込んだ攻撃の他にも斎藤氏の対立候補の公約を捻じ曲げるなどのデマが飛び交い、県警は虚偽情報を流布させ選挙の公正性がゆがめられたとみて捜査しています。そして高見氏は、この捜査で優先順位が比較的高い一人とみられているんです」(県警関係者) 

 

高見氏も選挙直後の11月23日には〈完全犯罪で人コロすには5000万円あったらいけるらしい。これ皆覚えといて。〉とXに投稿。 

 

「このポストは削除されたのか、今は見ることができないですが、あまりに不穏当な内容にゾッとしました。何が言いたいのでしょうか」(県議会関係者) 

 

市議会に政倫審が設置されると、高見氏は2月11日にはこう投稿している。 

 

〈【助けてください】 以前投稿した通り、知事選の遺恨がまだまだ残っており、議会での吊し上げに遭っています。これを扇動している市民クラブは某竹内元県議が所属していた民主系の会派です。〉 

 

地元メディアには「弁護士にも相談済みだが、私の一連の行動に対して全く問題ないと言われている。今後も毅然とした対応をとっていくつもりだ」とのコメントを出したが、2月17日の議会は欠席した。 

 

高見氏の主張を聞こうと本人が番号を公開している携帯電話にかけたがつながらないため、後援会事務所として届け出がある姫路市の住宅を訪ねた。そこでは親族とみられる男性が「(高見市議は)家にいません。いつ帰ってくるかも分かりません」と繰り返した。 

 

政倫審設置を“吊るし上げ”というのなら、自身がポストした内容の根拠を説明してみてほしいものである。 

 

※「集英社オンライン」では、今回の記事についての情報、ご意見を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。 

 

メールアドレス: 

shueisha.online.news@gmail.com 

 

X(旧Twitter) 

@shuon_news   

 

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班 

 

集英社オンライン編集部ニュース班 

 

 

 
 

IMAGE