( 268431 ) 2025/02/21 17:01:33 0 00 写真はイメージです Photo:PIXTA
人事異動で未経験のまま配属された営業部門。やる気はあっても、まず何から手を付けていいのかわからない……という人がほとんどだろう。営業人材育成のプロ、菊原智明氏は新人営業スタッフこそ「見た目」から入ってほしいとアドバイスを送る。新人営業スタッフが、明日から取り入れられる“できる営業の身だしなみ術”とは。※本稿は、菊原智明氏『できる営業は1年目に何をしているのか?』(総合法令出版)の一部を抜粋・編集したものです。
● 10人に1人の逸材となれる 清潔感のある身だしなみ
営業活動だけでなく仕事において、結果を出すために“見た目が非常に重要である”ということはほとんどの人が知っているでしょう。ただ、それを知っていたとしてもキチンと実行している人はほとんどいません。実際は見た目について軽視していると思われる人が数多くいるのです。
特に服装については世代間ギャップがあります。
20代の人が問題ないと思うことでも、50代からすると“なんてマナーができていないんだ”と思われることもあります。ですから、同世代だけでなく幅広い世代にウケる見た目を心がけてください。お客様の目は厳しく「見た目はチャラいけど、中身はしっかりしているかもしれない」などと思ってはくれません。
見た目で悪い印象を持たれれば、商談のチャンスを得ることはありません。これに気がつかない限り、永遠に損をし続けます。
全くマナーができていないのにもかかわらず、成績は抜群、型破りで伝説的な営業スタッフは存在します。ただそれは例外で、真似をしてもうまくはいかないもの。見た目に気を遣い、清潔感がある身だしなみのスタッフが圧倒的に有利であることは間違いありません。
結果を出している営業スタッフは見た目に関して細心の注意を払っています。
しかし、新人営業スタッフの中でそれができているのは10人に1人くらいです。ということは、それができた時点でトップ10%に入れるということになります。
商談テクニックやクロージングトークの習得は簡単ではありませんが、服装は今から実行可能です。見た目や服装を変えただけでチャンスが広がるということを知っておいてください。
これから、お客様から好感をもたれる服装やツールについて紹介していきます。
営業スタッフにとって「スーツ」は、言わばビジネスという戦場で戦うためのユニフォームです。スーツをかっこよく着こなすか、だらしなく着るのかで、お客様に与える印象が天と地ほども変わってきます。
そんなスーツの胸元を演出するのがネクタイです。ネクタイの役割は大きく、最も相手の目を惹くポイントでもあります。ノーネクタイでもいいという会社もありますが、私はネクタイをすることをおススメします。特に若い営業スタッフはネクタイをすることで印象が良くなるからです。
ネクタイの締め方にもポイントがあります。
ネクタイの先がベルトにかかるかかからないかの長さで締めてください。長すぎるのも短すぎるのも見栄えが良くありません。ネクタイがスーツの下からはみ出していると、だらしない印象を与えます。それだけでチャンスを失ってしまうのです。
また、色のチョイスで、お客様に違った印象を与えられます。
・青……冷静、誠実なイメージ ・赤……熱意、情熱的なイメージ ・オレンジ……コミュニケーション能力が高いイメージ ・緑…平和主義者、穏やかなイメージ
初対面のお客様には青色のネクタイで臨み、クロージングでは赤色のネクタイをするなどシーンによって使い分けるようにしましょう。
【POINT】 シーンによってネクタイの色を使い分ける ● 服装チェックに役立つ 家族や友人のダメ出し
「あなたは知らず知らずのうちに服装で損をしている」と聞いてどう思いましたか?
服装に関してはなかなか自分で気づきにくいものなのです。自分では普通だという認識だとしても、お客様から「うぁ、センス悪い……」と思われているかもしれません。見た目で悪い印象を持たれれば、次のステップには進めません。どんなに営業ノウハウを学んでも結果は出にくくなります。
例えば、あなたの前にピチピチで寸足らずのズボンをはき、ボタンがギリギリとまるスーツを着た営業スタッフが現れたらどう思いますか?ほとんどの人は「あぁ、こういう人とは、まともに話をする気になれない」と思うでしょう。
結果を出している営業スタッフは見た目で好印象を与える工夫をしています。営業で結果を出すために好印象を持たれる服装を心掛けてください。そう言われて「自分には服装のセンスがない」もしくは「自分ではいいか悪いか判断できない」という人もいるでしょう。では、具体的にどうすればいいのでしょうか?
まずは服装について“客観的”にチェックしましょう。ご家族と一緒に住んでいるのなら「この服装でお客様にいい印象を与えられるかな?」と家族に聞いてみます。家族なので遠慮なしに意見を言ってくるかもしれませんが、腹を立てずにしっかりと聞いてください。
一人暮らしであれば、鏡に向かってスマホで写真を撮り、友人に送るのもいい方法です。会社にいる仲間でも構いません。
ちょっとしたところを修正しただけで格段に印象が良くなったりします。
ぜひ今日からやってみてください。
POINT 服装について客観的なアドバイスをもらう ● カバン、腕時計、筆記用具 3点に気を配れば好印象
お客様は営業スタッフの持ち物をよく見ています。持ち物一つで「この人は仕事ができそうだ」と思われることもありますし「期待できない」とガッカリされることもあります。トークや提案でお客様の心をつかむ前に、持ち物で期待値を上げましょう。
■好印象を与えるアイテム1 カバン
奇抜な色やデザインのものは避けた方が無難です。汚れていたり使い古されていたりするカバンも避けてください。黒か茶色の落ち着いた色のカバンを選び、よく手入れをしておくといいでしょう。いいカバンは好印象を持っていただけます。
■好印象を与えるアイテム2 腕時計
営業スタッフのアイテムの中で一番個性が出るのが腕時計です。高級時計はちょっと嫌味ですし、かといって安っぽい時計もガッカリされます。誠実さをアピールするなら白のフェイスに黒いベルトの時計がいいでしょう。また、スマートウォッチのような時計で都会的な雰囲気を演出してもいいと思います。
腕時計は、プライベート用と分けて使うようにしてください。
■好印象を与えるアイテム3 ボールペン
ボールペンは、少し高いものを使うことをおススメします。安物の筆記用具を使っていると「仕事にこだわりがないんだろうな」といった印象を与えてしまうことがあるからです。特に高額商品を扱っている人は、高額な筆記用具を用意するようにしてください。
筆記用具はカバンや時計に比べれば安く購入できます。高いものに変えると、お客様からの印象はもちろん、書きやすく仕事もはかどります。
POINT 次の給料日にどれか一つ買い替えてみる
● 靴の脱ぎ方だけで 仕事の手腕がわかる
ビジネスマナーでは必ず“マナーは足元から”といった話が出てきます。営業では特に言えることです。どんな靴を履いているか、どう履きこなしているか、というところで営業スタッフのレベルが分かってしまうのです。
私は、長年営業をしていたせいか、営業スタッフの靴の扱いは特に気になります。
以前お会いした営業スタッフは、玄関の土間で靴を脱ぎ、手ではなく片方の足で雑に靴を端に寄せました。その靴も汚れていました。そんな所作を見ると、「この人とは付き合いたくないな」と思ってしまいます。
その逆のケースもあります。
その営業スタッフは、丁寧に靴を脱ぎ、玄関ホールに上がってからキチンと手で靴を揃えて置き直しました。その靴は磨かれてキレイです。その姿を見た瞬間に、「この人なら安心だ」という印象を持ちました。
お客様は営業スタッフの靴をよく見ています。ブランドや値段の高い安いということではなく、常にきれいに手入れをしましょう。
・ブラシなどを使ってほこりを取る ・シューズクリームで磨く ・シューキーパーを使う
といった通常のケアでいいのです。
靴を脱いだときの揃え方も気を配ってください。お客様にお尻を向けず、半身で行います。脱いだ靴を玄関の隅の方に寄せるのも、忘れないようにしましょう。
POINT 靴磨きセットを購入し、磨いてみる ● エクササイズなしでも 健康的に見せるワザ
知人の紹介で健康系の商品を扱っている営業スタッフとお会いしたことがありました。初めはいい印象だったものの「この人からはあまり買いたくないなぁ」と思うようになります。その理由は、肌が乾燥していて不健康そうに見えたからです。
健康系の商品を扱っているにもかかわらず、不健康な雰囲気では説得力がありません。もう少し健康的な雰囲気だったら購入していたでしょう。
見た目が健康そうかどうかということは、どこの営業スタッフにも言えます。あなたが何か商品を検討するとして「いかにも不健康そうだ」という営業スタッフから話を聞きたいと思うでしょうか?よほどその会社の商品を希望していない限り「似たような商品があるし、他の会社にしよう」と思うものです。
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