( 268969 )  2025/02/23 04:43:08  
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広島県は日本で唯一、在来線特急の通年運行がない県です。

広島県内を走る在来線特急は消滅し、現在は年に数か月間だけ特急列車が運行されるという状況です。

観光列車「WEST EXPRESS 銀河」がその例で、年に数か月間、京都~下関間を走ることがあります。

(要約)

( 268971 )  2025/02/23 04:43:08  
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定期列車の在来線特急が運転されていない唯一の県とは?(イメージ) 

 

 JRの在来線特急は、日常の足として機能する短距離列車から、都市間移動に活躍する長距離列車まで、さまざまなものが全国各地で運転されています。今は新幹線が鉄道の長距離移動の主役ですが、それでも在来線特急は脇役ではありません。JRの路線が無い沖縄県を除く、全国ほとんどの都道府県で、在来線特急が運転されています。 

 

 そんな中でも、たった1つだけ、在来線特急の通年運行がない県が存在します。 

 

 その県とは、広島県。主要幹線である山陽本線が通り、中国山地に向かう芸備線も走る広島県ですが、2025年2月現在、在来線の定期特急列車は設定されていません。 

 

 広島県では、東西の移動では山陽新幹線が使われており、寝台特急列車もほぼ消滅した現在では、山陽本線で特急列車を運転する必要性は限りなく薄くなっています。隣の岡山県や山口県では、山陰方面や四国方面に向かう在来線特急が運転されているのですが、広島県ではその必要性が低いのが現状です。 

 

 広島県を通る山陽本線では、かつては昼行・夜行特急が数多く運転されていました。しかし、新幹線の開業や競合交通手段の発達などによって、その本数は次第に減少。最後まで残っていた寝台特急「はやぶさ」「富士」が2009年に廃止されたことで、広島県内を走る通年運行の在来線特急は消滅してしまいました。 

 

 ただし、そんな広島県でも、年に限られた期間だけ、特急列車が走ることがあります。それは、観光列車「WEST EXPRESS 銀河」。JR西日本の管内各地で主に夜行列車として走る列車で、通年での運転ではありませんが、「山陽コース」として京都~下関間を走ることがあります。2025年現在は、これが(年に数か月間だけとはいえ)定期的に広島県内で運転される唯一の在来線特急。2024年度も、3月までこのコースで運転されています。また2025年度は、観光列車「はなあかり」が、4月から6月まで大阪~尾道間を走る予定です。 

 

 ちなみに、2024年3月までは、奈良県も「JRの定期特急列車」が乗り入れない県でした。同年のダイヤ改正で、特急「らくラクやまと」が設定され、奈良県は晴れてJRの定期特急列車が乗り入れる県に。さらに、2025年3月のダイヤ改正では、これまで土休日を中心に運転されてきた臨時特急「まほろば」が、定期列車に昇格する予定です。こちらは改正後も土休日のみ運転という点は変わりませんが、これで奈良県はJRの定期特急列車が毎日乗り入れる県となります。 

 

西中悠基 

 

 

 
 

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