( 269549 ) 2025/02/24 17:30:59 1 00 クルマの装備の中には必要性を疑問視するものもあります。 |
( 269551 ) 2025/02/24 17:30:59 0 00 クルマの装備のなかには「コレって本当に必要?」と思ってしまうものも少なくない。無用の長物かはたまた今後の定番となるのか、無駄と思われがちなクルマの装備を追ってみた。
文/井澤利昭、写真/日産、レクサス、三菱自動車、写真AC、アイキャッチ画像/Tesla, Inc.
クルマのハンドルといえば昔から正円型というのが常識。ところがここ最近、D型や楕円型といったい異形のハンドルを採用するクルマが増えてきている。
そんななかでも、際立って変なカタチなのが「ヨーク型ハンドル」だ。
ヨーク型ハンドルとは、飛行機やSF映画に登場する宇宙船の操縦桿のような形状のハンドルのことで、テスラのモデルSやレクサスRZ、トヨタのbZ4Xなどで採用されている。
ハンドルの上側がないスッキリとした構造のためドライバーの視界を妨げるものがなく、運転に集中できるのがそのメリット。
いっぽうで握れる部分が限られているため、ハンドルを大きく回す必要がある場合には操作がしづらくなるというデメリットもある。
そのデメリットを打ち消すため、レクサスRZやトヨタbZ4Xではクルマの速度域や舵角に応じてハンドル操作に対する反応が変わるVGS(可変ステアリングホイールギヤシステム)を搭載している。
見た目のインパクトこそ強烈ではあるもの、そこまでしてヨーク型ハンドルが必要なものかと言われると少々疑問に思ってしまうのが正直なところ。
素直に丸いハンドルにすれば……というのは、考え方が古いのだろうか?
2018年に量産国産車として初となる装備としてレクサスESに採用され、一時は大きな話題となったクルマの装備が「デジタルアウターミラー」だ。
鏡に反射させた像を見て後方を確認する、一般的な光学式アウターミラー(いわゆるサイドミラーやドアミラー)とは異なり、通常ドアミラーなどがある位置に取り付けられたカメラで撮影した後方の映像を、車内のディスプレイに表示するシステム。
後方確認の際の目線の移動が少なくてすむという点や、ゆがみの少ないクリアな視界を確保できること、夜間など暗い場所でも映像の明るさが調整されるため見やすいといった点などがメリットとされている。
またカメラユニットは通常のドアミラーと比較して小さいため、斜め前の視界がより見やすくなるのもその利点だ。
いっぽうで、車内にとってつけたようなディスプレイが増えることによる違和感や、映像ゆえに後方との距離感がつかみにくいというデメリットもあり、その後2020年に登場したホンダe以外の市販車では、いまのところ搭載するクルマは出てきていないのが現実。
そして何より「普通のミラーで事足りるのでは?」と、思われてしまう点があまり普及が進まない理由かもしれない。
数あるクルマの装備のなかでも、ここ数年で大きく進化したもののひとつが照明やライト類ではないだろうか。
消費電力が少なく明るいLEDは、コストダウンが進んだこともあって急速に普及し、ヘッドライトをはじめとする灯火類には多くの車種でLEDが採用され、今や当たり前のものとなってきている。
室内照明も同様で、近年ではルームランプなどにLEDを採用するクルマが増えてきている。
そのLED車内照明をさらに進化させたのが「アンビエントライト」や「イルミネーション」と呼ばれる間接照明だ。
これらは、ダッシュボードやエアコンの吹き出し口、シートモールといった部分に張り巡らされたLED照明のことで、メルセデス・ベンツやBMWといった欧州メーカーは特に力を入れている。
そのメリットは、やはり車内を華やかに演出できること。LEDの特性を利用し、その時の気分やシチュエーションによって、自分好みに照明の色で変更したり、光らせ方を変化させることができるものもある。
とはいえ、日常のなかでそうした光の演出が必要となるシーンが頻繁にあるかというと、"?"というのが正直なところ。
最初はもの珍しさでいろいろなカラーの照明を試すものの、しばらくすると飽きて使わなくなった……いう人も多いのではないだろうか。
夜間など暗い車内で小銭を落とした時などには便利かもしれないが……。
フロントガラスやダッシュボード上に取り付けられた透明のプレートに、スピードや現在のシフトポジションといった情報を投影するヘッドアップディスプレイ。
登場間もない時期には、高級車だけの装備であったヘッドアップディスプレイもここ最近は身近になり、コンパクトカーや軽自動車にも採用するクルマが増えてきている。
一般的なメーター類を見る時と比較して、目線の移動が少なくてすむヘッドアップディスプレイは、前方不注意によるよそ見運転の可能性を大きく減らすことができるため、スピードが速くなる高速道路などでは特にその効果を体感できる。
また、遠くを見ている状態から近くのメーター類を確認するときに必要となるピント調整が必要なくなるため目への負担が少なく、眼精疲労を軽減できるというメリットもあるとされている。
特に、目のピントを合わせる機能が低下している高齢のドライバーにとって、ヘッドアップディスプレイは恩恵が多い装備と言っていい。
そうした安全面でのメリットがある反面、運転中の目の前に標示される文字などがストレスとなり、「うっとうしい」「気が散ってしまう」という声も。
なくても困らない!というのは事実かもしれないが、簡易ナビの標示や、速度制限・一時停止などをリアルタイムで表示をしてくれるなど、使ってみれば便利に感じることも多いだけに、案外、慣れの問題なのかもしれない。
欧州車を中心に普及が進み、今では国産車でも多くの車種で採用されている「ヘッドライトウォッシャー」。
文字通りヘッドライトに付着した汚れを落とす装置で、ヘッドライト近くに配置されたノズルから噴き出すウォッシャー液でライトレンズのレンズを洗い流すしくみ。
その普及が進んでいる大きな理由のひとつとされているのが、LEDヘッドライトの普及だ。
日常的に起こりうるヘッドライトを遮る原因として考えられるのがクルマへの積雪だが、以前のハロゲンヘッドライトなどでは、点灯時に発生する熱で雪が融けることで、ライトへの雪の不着をある程度避けることができた。
ところが発熱量の少ないLEDではライト積もった雪が十分に融けないため、ライトの灯りを遮ってしまうことに。
つまり、LEDヘッドライトの普及とともにヘッドライトウォッシャーを装着するクルマも増えているということ。
雪の多い欧州では、ヘッドライトウォッシャーの装着を義務づけているところもあり、それも急速に普及が進む要因とされている。
国内でも北国などの豪雪地帯であれば必要と思えるヘッドライトウォッシャーだが、雪のほとんど降らない地域や都市部ではなかなか使用する機会がないもの。
ヘッドライトウォッシャーを使ったことがないという人や、そもそも自分のクルマに付いているのかどうかもわからないという人も案外多そうだ。
信号待ちや渋滞などでの停車時にエンジンをストップすることでガソリンの消費量を抑え、燃費の向上とともに、排ガスや騒音の削減による地球環境への配慮を謳った「アイドリングストップ」機能。
2000年頃から国内メーカーのクルマを中心に普及し始めたアイドリングストップ機能だが、その性能を疑問視する声があるのも事実だ。
思ったほど燃費が向上しないどころか、停止時間が短いとかえって燃費が悪くなってしまうというデータもあり、エンジンの停止と始動を頻繁に繰り返すがゆえにバッテリーへの負荷が大きく、寿命が短くなってしまうというのも、そうした声があがる原因。
加えて、エンジンの停止中はエアコンが送風のみになってしまうことや、発進時のタイムラグに違和感を覚えるといった不満を持つドライバーも多いようだ。
それを裏づけるようにホンダやトヨタなどでは、ここ最近、ガソリン車でのアイドリングストップ機能を廃止するという動きも出てきている。
なくても困らないどころかデメリットが多いのであれば、アイドリングストップの機能をオフにしてしまうのもアリかもしれない……。
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