( 270311 ) 2025/02/26 17:29:07 0 00 特許情報をチェックしていたら面白いネタを見つけた。マツダの出願した特許なのだが、なんとラジエターの冷却水をクルマの屋根に流すというのだ!いったいなんで?どんなメリットがあんのよ??
文:ベストカーWeb編集部/写真:J-PlatPat、マツダ
マツダが出した特許だが、2023年8月に出願され、2025年2月21日に公知されている。発明の名称は「車両」というそっけないものだが、中身を読むとノケゾルような内容だった。
逐一説明すると長大になるので要約するが、着目したのは内燃機関車における冷却だ。
いうまでもなく、クルマのエンジンは内部に冷却水を通して温度管理を行っているわけだが、この冷却水自体、冷たすぎても熱すぎてもエンジンの効率や排ガス浄化性能を落とす原因になる。通常のクルマで温度管理を担うのが、ラジエターやサーモスタットだ。
マツダはその効率をもっと高めようと考えた。そこでクルマの中で大きな面積を占め、陽光や外気に触れている「屋根」に注目したのだ。
たとえばエンジンの始動直後。この時はできるだけ早くエンジンを暖めたいわけだが、もし車両が暑い場所や炎天下にあるなら、その熱で温まったルーフの冷却水を循環させれば暖気を促進させることができる。
いっぽう走行中。高速道路などを走っているクルマの屋根は空気の流れを受けるわけだが、この時ルーフ内を流れる冷却水温度がエンジン内の冷却水より冷たければ、これを使って冷却ができるわけだ。
他にもルーフを流れる冷却水は車内を暖めたりすることにも使える。そのためにマツダは大いなる工夫をした。ルーフ内を流れる冷却水の経路を、車外側(ルーフ面側)と室内側で断熱板を挟んで2重化したのだ。こうすれば熱利用の自由度が高まり、車内が冷却水の影響で暑くなったり寒くなったりする悪影響も抑えられるというわけだ。
ちなみに、これらの冷却水の周囲には吸湿剤が充填されており、万一ルーフがダメージを負ったときなども、熱い冷却水が車内に流れ込まない工夫が織り込まれているらしい。
読者の皆さんはこの特許をどう考えるだろうか。ルーフまで冷却水を流すとなるとより多くの冷却水が必要になるだろうし、燃料ポンプの数やセンサー類の制御が煩雑になりそうな気もする。ルーフが重くならないかとか、ガラスルーフとの兼ね合いはどうするのかといった疑問も起きる。
とはいえそこは天下のマツダのこと。なんらかのブレークスルーを考えたうえで特許を出願したのだと考えたい。
ちなみに特許に添えられた説明図面には、横置き4気筒エンジンを積むハッチバックとおぼしきクルマが描かれている。今年登場するといわれる次期CX-5ではないかとも勘ぐってしまうのだが、はたしてどうだろうか。
ともかくともかく、内燃機関にまだまだ知恵を絞るマツダの情熱には本当に感動する。ぜひとも世界をアッといわせるクルマを生み出してほしい!
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