( 270401 ) 2025/02/27 03:15:57 0 00 炎で赤く染まる綾里大畑野地区=2025年2月26日午後7時15分、岩手県大船渡市、小幡淳一撮影
岩手県大船渡市赤崎町で26日午後1時ごろ、山林火災が発生し、複数の場所で延焼している。市などによると、午後5時時点の焼失面積は600ヘクタール以上。点在する集落に火が広がり、人への被害は「不明」で、84棟が焼けるなどの被害を受けている。大船渡市は合足(あったり)、綾里(りょうり)地区の873世帯2114人に避難指示を出した。岩手県内では19日から山林火災が相次いでおり、今回で3回目。
■現場は「パニック」
午後1時半ごろ、大船渡市の田浜地区で、消防のサイレンが鳴り響いた。合足地区が火事だという情報だった。一山を越えた地区の火災だったので、村上仁さん(86)は「こっちまではこないだろう」と思っていた。
ところが、午後2時ごろ、消防団員が来て「避難しろ」。村上さんが慌てて家を出ると、家の裏の山が火の海になっていた。「パニック状態になった」と振り返る。慌てて、大事な物も持たずに逃げたという。
綾里小学校6年の泉佳澄さん(12)は出火当時、学校にいた。弟や他の生徒と避難所の「綾姫ホール」に避難した。迎えに来た母から「うちはもう燃える」と告げられた。そこから一緒に越喜来小の避難所まで移動した。「ずっと火事が続いていたから、もしかしてまたあるかもと思っていたけど、うちが燃えちゃうなんて。すごい悲しい」と話した。(松尾葉奈、小泉浩樹)
朝日新聞社
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