( 270599 )  2025/02/27 15:03:02  
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兵庫県議会所属の3人が立花孝志氏に斎藤知事の疑惑に関する情報を提供したことを謝罪する会見を開いた。

会見は7時間40分に及び、その後、維新の兵庫県議の処分が決定された。

ジャーナリストは、会見について笑うしかないとし、吉村洋文大阪府知事も情報提供はルール違反だと指摘している。

この件が維新の支持率に影響を与える可能性もある。

立花氏は情報源を明かしており、その行為はメディア的にも問題があると指摘されている。

(要約)

( 270601 )  2025/02/27 15:03:02  
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立花孝志氏 

 

 2月23日、「兵庫維新の会」所属の兵庫県議、岸口実(60)、増山誠(47)、白井孝明(41)の3氏が揃って会見を開いた。昨年11月に行われた知事選の期間中、「NHKから国民を守る会」党首の立花孝志氏(57)に、斎藤元彦知事(47)の疑惑に関連する情報を、それぞれが個別に提供していたことに関する謝罪会見で、実に7時間40分にわたって行われた。 

 

 *** 

 

 維新県議らは何をしでかしたのか――。岸口県議は、今年1月に亡くなった竹内英明前県議らを“知事失職の黒幕”と名指しした真偽不明の文書が立花氏に手渡された際に同席。増山県議は、非公開で行われた百条委員会の音声データやメモを立花氏に提供。白井県議は、自ら立花氏に電話をして情報を提供したという。兵庫維新の会は26日、岸口県議を離党勧告、増山県議を除名とし、白井県議については引き続き処分を検討するという。 

 

 7時間を超える会見をどう見たか、現地で取材を重ねるジャーナリストの吉富有治氏に聞いた。 

 

「皆さん感じていることだと思いますけど、正直言って、笑うしかない会見でした。3人が揃いも揃って、なぜ立花氏を選んで情報を提供したのか説明をしていない。この3人は、提供した内容も違えば、どのようにして提供したかも異なりますが、組織的に動いたのではないかと疑いたくなるほどでした」(吉富氏) 

 

 そもそもは斎藤知事を巡る内部告発文書が発端だ。その真偽を巡って百条委員会が設置されたのが昨年6月。岸口議員は百条委の副委員長、増山県議は委員を務めていた。ところが、委員会の質問と斎藤知事の主張は噛み合うことがなく、議論は遅々として進まない。百条委の結論を待たず、最初に斎藤知事に辞職を申し入れたのは維新会派だった。斎藤知事は大阪府以外で初めて誕生した維新系の知事 と言われるが、維新会派の申し入れにも耳を貸さない。そこで9月19日、全会一致で不信任決議が可決された。斎藤知事が失職を選んだことで、出直し知事選がスタートする。 

 

 

 11月17日、圧倒的に不利とみられていた斎藤知事が再選した。その大きな戦力となったのが、自らも知事選に出馬しながらYouTubeや街頭演説で斎藤氏の応援に回った立花氏と、それを拡散したネット民だと言われている。その立花氏の情報源だったのが、彼ら維新県議だった。 

 

「兵庫維新の会に所属する議員が、別の政治団体の党首に情報を与えていたわけです。増山県議は『当時、何を言っても信じてもらえないくらい、反斎藤の動きがメディアの中にあって、県民にファクトを知ってもらいたいという強い思いがあった』として、立花氏に情報を与えたと話していましたが、なぜ自身が所属する維新では駄目だったのか、理由になっていません」(吉富氏) 

 

 立花氏の“発信力”こそが彼を選んだ理由とも話していた。 

 

「立花氏を新たなメディアと考えている節があります。しかし、メディアなら真偽不明の情報はウラを取るのが当然。いくら秘密会の音声データだからといって、片山安孝・前副知事(64)の発言が事実であるという保証もないのですから、表に出すには時間がかかります。ところが、立花氏はその内容が事実かどうかは関係なく、そのまま流しました。しかも、その後、立花氏は情報源まで明かしています。メディアであれば情報源は守るものですが、それもない。増山議員の考える“メディア”は、通常のメディアより異質なものとしか言いようがありません。そもそも今回の問題は、斎藤知事への告発文書の真偽を見極めることが発端でした。にもかかわらず、真偽不明の文書を立花氏に提供して対抗する行為は杜撰であり幼稚です」(吉富氏) 

 

 立花氏は亡くなった竹内元県議について「捜査対象になっている」とも発信していたが、県警本部長が「全くの事実無根。明白な虚偽」と全否定したのはご存知の通りだ。 

 

 日本維新の会代表の吉村洋文・大阪府知事(49)は、彼らが立花氏に情報を提供していたことを受け、こう発言している。 

 

吉村氏:してはならないことだと思う。相手方は他党(政治団体)の党首。思いはわかるが、ルール違反だ。 

 

 彼らの思いをわかってしまっていいのだろうか。 

 

「善意にとらえれば、言葉の綾だったのかもしれません。党への背任行為ですから、内心では『何をやっとんねん』と言いたいところだったでしょうが、彼らの反省を促そうとしたのかもしれない。それでも党代表であり大阪府知事なのですから、言っていいことと悪いことの区別は必要だったと思います」(吉富氏) 

 

 一方で、前原誠司・共同代表(62)の言葉は厳しかった。 

 

前原氏:事実であれば言語道断!  

 

「同時に、前原氏は維新の支持率低下について質問され、原因の一つに『地方組織の不祥事』を挙げました」(吉富氏) 

 

 なぜ維新の地方議員に不祥事が少なくないのだろう。 

 

「やはり急ごしらえの政党であることが大きいのかもしれません。数を頼みにしてきましたから、数の増加は質の低下に繋がることもありますから」(吉富氏) 

 

 維新の兵庫県議は、2023年4月の選挙で9議席から21議席へと倍増した。 

 

「それだけ人気もあったということですが、今回の件でまた維新の支持率は下がるかもしれません。今回の会見にはフリージャーナリストを名乗る斎藤知事の支持派もいましたから、中には『よくやった』という声が上がるでしょうが、一般的には呆れながら見ていた方が多いと思います。そういった意味で、会見は失敗だったと言わざるを得ません」(吉富氏) 

 

 ちなみに、維新の創設者である橋下徹氏(55)は、自身のXでこう発言している。 

 

《兵庫県議会の維新はルールを重視する維新の精神から完全に逸脱。解散やろ。》 

 

デイリー新潮編集部 

 

新潮社 

 

 

 
 

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