( 271334 )  2025/03/02 05:32:40  
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山口県周南市の西京銀行が行った新規口座開設キャンペーンで、最大5万円がもらえるという条件が低かったため、応募が殺到し、一部地域で口座開設の受付が停止される事態になった。

他の銀行も同様のキャンペーンを行っており、銀行業界全体で預金の獲得が競っている。

西京銀は、このキャンペーンを通じて多くの口座開設を受け入れたが、将来的な戦略によって預金の定着が課題となる可能性がある。

(要約)

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(写真:読売新聞) 

 

 山口県周南市の地方銀行「西京銀行」が28日まで実施した新規口座を開設すると最大5万円がもらえるキャンペーンに申し込みが殺到し、一部で口座開設の受け付けを停止する異例の事態となった。現金を受け取るための条件を満たすハードルが低かったためとみられる。 

 

 1月6日に始まったキャンペーンは、山口県在住者が新たに普通預金口座を開設し、3月末時点の残高を100万円以上にすれば、4月末までに最大5万円がもらえるという内容。受け付け最終日の28日午前8時半頃、山口市の小郡支店には整理券を受け取る10人ほどが並び、未明から並んだ人も含め、既に数十人が受け取った後だった。 

 

 店の入り口には「最大待ち時間は6時間以上が予想されます」、「(受け付け後は)ご自宅等で待機願います」、「順番によっては15時以降(夜間対応含む)となります」などと記された貼り紙もあり、行員は対応に追われている様子だった。一方、来店した山口市の女性(50)は「職場の同僚から聞いて知った。物価高なので5万円は生活費の足しにしたい」と声を弾ませた。 

 

 当初から西京銀の予想を上回る来店があったとみられ、この数日前には営業時間内にもかかわらず「本日は終了しました」と、受け付けの一時停止を知らせる貼り紙を出す店舗もあった。キャンペーン期間は当初3月末までだったが、2月末に短縮した。 

 

 日本銀行による政策金利の引き上げを受け、銀行は企業などへの貸出金利を上げて収益を拡大しやすくなっている。このため、融資の原資となる預金の獲得キャンペーンは増えている。 

 

 大手のみずほ銀行も、ポイントと現金で最大計5万円相当がもらえるキャンペーンを実施している。しかし、給与受取口座への指定やNISA(少額投資非課税制度)口座の開設、クレジットカードの発行など複数の条件達成が必要になる。 

 

 他行に比べて西京銀は特典をもらうためのハードルが低かった。また、集まった預金は定期ではなく、いつでも引き出せる普通預金のため、どれだけ融資の原資に充てられるかは未知数だ。預金の定着は、今後の西京銀の戦略次第になりそうだ。 

 

 西京銀は読売新聞の取材に対し、混雑状況や効果などについては現時点で検証できていないとしつつ、「多くの来店をいただき、ご不便をかけた部分もありますが、好評で多くの口座を開設いただいた」とコメントした。 

 

 

 
 

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