( 272271 ) 2025/03/06 02:53:24 0 00 参院予算委員会で参考人として発言する全国がん患者団体連合会の轟浩美理事(奥右)。左手前は石破茂首相=国会内で2025年3月5日午前9時29分、平田明浩撮影
衆院を通過した2025年度予算修正案は5日、参院予算委員会で石破茂首相ら全閣僚が出席して審議入りした。高額な医療費の患者負担を抑える「高額療養費制度」の負担上限額引き上げを巡り、全国がん患者団体連合会の轟(とどろき)浩美理事が参考人として出席し、8月からの引き上げ凍結を求めた。首相は患者団体と面会する意向を示したが、引き上げは予定通り実施する方針を重ねて示した。
轟氏は「引き上げを知って泣いた」「医療費を更に払うことができず、子どものためにお金を残す方がいいのか追い詰められている」などと、政府の引き上げ方針に対して3600人以上から寄せられたアンケート結果の一部を朗読。「悲痛な叫びだ。制度を維持するために負担上限額を引き上げ、患者が治療を受けられないのでは本末転倒だ。私たちもやみくもに反対しておらず、一旦立ち止まってほしいと願っている」と訴えた。
一方、首相は高額療養費が医療費全体の倍のスピードで増えていることを踏まえ「いかにしてこの制度を持続させるかを考えなければならない」などと述べ、物価高を考慮した8月の引き上げを予定通り実施することに理解を求めた。
野党が主張する企業・団体献金の禁止では「透明性を確保し、公開性をさらに上げていく」と述べるにとどめ、改めて慎重姿勢を強調した。政策がゆがめられるとの指摘には「仮にそうであれば国民の厳しい審判が下るということだ」と反論した。
自民党派閥の裏金事件を巡る旧安倍派幹部の参考人招致については「国会の判断があれば、自民党として真相解明のために必要な協力はしていく」と約束したが、党総裁としての積極的な姿勢は見せなかった。【村尾哲】
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