( 274454 )  2025/03/13 07:02:10  
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日本政府が燃料油価格の上昇を軽減するために導入した補助金制度について、160円/Lを超えた場合に税率を引き下げる「トリガー条項」が発動されず、多くの批判を浴びた。

政府は補助金方式に固執した理由として、トリガー条項の凍結解除による税収減を避けるためだとされている。

燃料諸税の税収は大きな財源であり、トリガー条項を発動させると税収が減少することから、補助金を使って時間を稼ぎ、燃料価格が下がれば税率を変更せずにすむと考えられている。

(要約)

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 レギュラーガソリン価格が160円/Lを超えたら、揮発油税や地方揮発油税を引き下げるという「トリガー条項」。しかし160円/Lを超えても発動することはなかった。多くの批判を浴びながらあくまで「補助金」にこだわった政府の思惑とは!? 

 

※本稿は2025年1月のものです 

文:井元康一朗/写真:AdobeStock(トップ画像=ELUTAS@AdobeStock) 

初出:『ベストカー』2025年2月10日号 

 

 ウクライナ紛争をきっかけに暴騰したガソリン、軽油などの燃料油価格。日本政府が物流コスト上昇や生活費の負担増を防止する策として2022年1月から実施してきた「燃料油価格激変緩和補助金」。 

 

 燃料価格の安定に一定の効果を発揮してきたこの補助金だが、当初から批判も根強かった。 

 

 レギュラーガソリン価格が160円/Lを超えたら燃料諸税のうち割り増し分の暫定税率を取るのをやめる「トリガー条項」の凍結を中止して発動させろという意見、さらに燃料諸税はすでに道路整備のための特定財源ではなくなったのだから本来の税率に戻すべきという意見が多く出された。 

 

 政府がそれら国民の声をあえてスルーして補助金方式に固執したのは、ひとえに税収減につながるトリガー条項の凍結解除を避けたかったからだ。 

 

 年間4兆円以上という燃料諸税は国にとって美味しい財源。トリガー条項を発動させた場合、税収減は1兆5000億円と試算されている。高額な課税額だけに一度税率を下げると復活時の不満は強烈なものになる。 

 

 補助金で時間稼ぎをしている間に燃料価格が落ち着けば燃料税の仕組みをいじらずに済むと考えたのだ。 

 

 

 
 

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