( 274641 ) 2025/03/14 05:17:08 0 00 衆院予算委員会での審議を終え、国会内を歩く石破茂首相(中央)=国会内で2025年3月13日午後5時2分、平田明浩撮影
石破茂首相が3日夜に首相公邸で開いた自民党衆院1期生との会食に際し、首相事務所が土産を名目に1期生側に1人10万円分の商品券を配っていたことが13日判明した。関係者によると、会食には自民の1期生15人が出席したが、事後に大半が商品券を返却したという。首相は法律には抵触しないとしているが、個人から政治家に対する金銭等の寄付などを禁じる政治資金規正法に抵触する可能性もある。
石破茂首相は13日夜、1期生への商品券配布について「会食の土産代わりにポケットマネーで用意した」と述べた。政治資金規正法と公選法には抵触しないとした。公邸で記者団に述べた。関係者によると、会食の開始前に首相事務所が1期生の各事務所に商品券を届けたという。
首相自身にも「政治とカネ」の問題が浮上した形で、野党の批判を受けるのは必至だ。立憲民主党は14日の参院予算委員会で追及する構えだ。
会食に出席した自民1期生の一人は「商品券をもらったことは事実で、既に返却した。金額がいくらだったかは中身をよく確認していないので分からない。1期生みんなで示し合わせて返却したのではなく、それぞれが自主的に返却した」と話した。別の1期生は「会食当日に事務所に紙袋が届き、開けずに置いておいたが、他の議員から商品券らしいと聞き、翌日に中身を開けずにそのまま返却した」と説明した。
◇岩井奉信・日大名誉教授「土産として通用する話ではない」
政治資金に詳しい岩井奉信・日大名誉教授は「政治家個人にお金を渡す行為は政治資金規正法で禁止されており、同法に抵触する可能性がある。10万円は社会通念上、土産として通用する話ではない。派閥の裏金が問題になる中、疑われかねないものを渡すこと自体、センスがないとしか言いようがない」とした上で、「仮に全員が返却していたとしても、各議員はそれぞれ政治資金収支報告書に記載すべきだ」と指摘した。
立憲民主党の笠浩史国対委員長は取材に「(14日の)参院の集中審議で事実関係をただしたい。(商品券を)配ったというなら由々しき事態。本人が認めた場合にはどう対応していくかを考えていきたい」と語った。
日本維新の会の岩谷良平幹事長は取材に「クリーンなイメージの石破首相がこのような事をしたとすれば、誰がトップでも自民の体質は変わらないことが明らかになった。政治を変えるには政権交代が必要だ」と主張した。
国民民主党の玉木雄一郎代表はXに「公党間の約束を守らないだけでなく、ルールも守っていなかったのか。首相の行為は公職選挙法(政治家個人に対する寄付の制限)に抵触する可能性がある。今後の推移を緊張感を持って見定めたい」と投稿した。
共産党の小池晃書記局長は取材に「政治とカネがこれだけ問題になっているときに常軌を逸した行動だ。驚きあきれる。国民の不信感が高まることは間違いない。首相自身の責任であり『事務所がやった、秘書がやった』では通用しない。首相を続ける資格はなく、それだけ重大な問題だ」と非難した。【園部仁史、遠藤修平、安部志帆子】
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