( 274984 )  2025/03/15 06:57:24  
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国税庁の調査によると、電気・ガス・熱供給・水道業が年間給与で最も高い775万円であり、宿泊業や飲食サービス業が最も低い264万円という業種別の平均給与には大きな差があることが明らかになっている。

さらに、それぞれの業種における年収のボリュームゾーンを見てみると、差が更に浮き彫りになる。

一方で、厚生労働省の調査によると、1世帯あたりの平均所得金額は524万2,000円であり、所得300万円未満の世帯が最も多いことが分かっている。

中間層とは、果たしてどのような数字を指しているのか、そして国民の収入や経済における現状は厳しいものとなっている。

(要約)

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(※写真はイメージです/PIXTA) 

 

国税庁『民間給与実態統計調査』(令和5年)より、「平均」からは見えてこない、日本人のリアルなお金事情について見ていきます。 

 

前政権では「中間層の拡大」が掲げられてきましたが、効果には疑問の声も。はたして「中間層の拡大」は実現しているのか、現状を見ていきましょう。 

 

まずは業種別の平均給与。国税庁『民間給与実態統計調査』(令和5年)によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与について、最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の775万円。「金融業、保険業」652万円、「情報通信業」649万円と続きます。最も低いのは「宿泊業,飲食サービス業」の264万円。諸手当を含んだ金額であることを踏まえると、かなり厳しい現状が見て取れます。 

 

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電気・ガス・熱供給・水道業……775万円 

 

金融業,保険業……652万円 

 

情報通信業……649万円 

 

学術研究,専門・技術サービス業・教育,学習支援業……551万円 

 

建設業……548万円 

 

複合サービス事業……535万円 

 

製造業……533万円 

 

運輸業,郵便業……473万円 

 

不動産業,物品賃貸業……469万円 

 

医療,福祉……404万円 

 

卸売業,小売業……387万円 

 

サービス業……378万円 

 

農林水産・鉱業……333万円 

 

宿泊業,飲食サービス業……264万円 

 

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全体平均 460万円 

 

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業種間格差が鮮明になっていますが、それぞれの業種について「年収のボリュームゾーン」はどこかを見ていくと、また違った様相がうかがえます。 

 

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電気・ガス・熱供給・水道業……1位「800万円超/41.1%」、2位「500万円〜599万円/14.2%」 

 

金融業,保険業……1位「800万円超/26.7%」、2位「400万円〜499万円/15.1%」 

 

情報通信業……1位「800万円超/24.4%」、2位「400万円〜499万円/15.8%」 

 

学術研究,専門・技術サービス業・教育,学習支援業……1位「800万円超/19.3%」、2位「300万円〜399万円/14.4%」 

 

製造業……1位「400万円〜499万円/16.4%」、2位「800万円超/15.2%」 

 

建設業……1位「400万円〜499万円/19.3%」、2位「300万円〜399万円/16.2%」 

 

運輸業,郵便業……1位「400万円〜499万円/21.8%」、2位「300万円〜399万円/19.7%」 

 

不動産業,物品賃貸業……1位「100万円〜199万円/15.9%」、2位「200万円〜299万円/15.4%」 

 

複合サービス事業……1位「800万円超/17.6%」、2位「400万円〜499万円/15.1%」 

 

医療,福祉……1位「300万円〜399万円/23.5%」、2位「400万円〜499万円/18.4%」 

 

卸売業,小売業……1位「100万円〜199万円/17.5%」、2位「200万円〜299万円/15.3%」 

 

サービス業……1位「200万円〜299万円/19.7%」、2位「300万円〜399万円/17.1%」 

 

農林水産・鉱業……1位「200万円〜299万円/26.6%」、2位「300万円〜399万円/23.0%」 

 

宿泊業,飲食サービス業……1位「100万円以下/29.6%」、2位「100万円〜199万円/21.5%」 

 

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「電気・ガス・熱供給・水道業」の高額っぷりに驚いた方も少なくないでしょう。 

 

厳しい数字を記録しているのが、やはり「宿泊業,飲食サービス業」。本調査、「1年を通じて勤務した給与所得者」を対象に集計しており、正規・非正規の垣根はありません。飲食業に関しては、パートタイムで働く方々が多いのも関係してはいるものの、それでもなお、業種間格差を痛感してしまう数値です。 

 

 

このデータは「給与」、つまり働く日本人に限った「お金」ですが、そのほか公的年金や私的年金、資産運用によってそのほかの収入を得ている方々も少なくありません。 

 

そこで厚生労働省『国民生活基礎調査』(2023年)より、広く平均所得について見てみると、1世帯あたり平均所得金額は、「全世帯」が524万2,000円。「高齢者世帯」が304万9,000円、「高齢者世帯以外の世帯」が651万1,000円、「児童のいる世帯」が812万6,000円となっています。 

 

やはり気になるのは分布図。同調査によると、「100〜200万円未満」が14.6%、「200〜300万円未満」が14.5%、「300〜400万円未満」が12.9%と、所得300万円未満の世帯が最も多くなっています。中央値は405万円。平均所得金額(524万2,000円)以下の割合は62.2%と過半数を超えています。 

 

「中間層」の指し示す数字とは、一体何でしょうか。円安とインフレが続く今、国民の「お金への視線」はより一層鋭くなっています。 

 

THE GOLD ONLINE編集部 

 

 

 
 

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