( 275146 ) 2025/03/16 04:40:49 0 00 「財務省解体デモ」で減税を訴える参加者=14日午後、東京都千代田区(奥原慎平撮影)
積極財政への転換を訴える「財務省解体デモ」が14日、東京・霞が関の庁舎前で行われた。昨年10月の衆院選で所得税の非課税枠である「年収103万円の壁」の見直しが焦点となって以降、SNSなどで財務省批判の声が高まっている。デモの主催者は、政党や政治団体と一線を画した抗議活動を呼び掛け、参加者は「財政健全化は国民貧困化」「財務省は国民の敵だ」などと声を上げていた。
■「我慢に我慢を重ねてきた」
「日本は『失われた30年』。君たちが緊縮財政政策、日本を成長させない政策をやったからだ。30年あれば所得倍増できた。われわれは我慢に我慢を重ね、いよいよ物価高騰だ」
14日夕、財務省前でマイクを握った男性はこう声を張り上げ、「食料品を買うときだって値段見て、これ買ったら、あれ買えない…迷いに迷っている」と生活の苦難を訴えた。
沿道は「STOP!増税 緊縮財政」「財務省解体‼」「消費税廃止」などと書かれたプラカードやビラを持った群衆で埋め尽くされ、2時間にわたって「本当は幸せに暮らしたいよー」「金配れ」「鬼」と叫んでいた。
主催者はデモに先立って、「個人攻撃や差別発言は禁止」「省庁に出入りの人に圧力禁止」と紳士的対応を求め、庁舎の窓に人影が映ると「お前らのせいで生活が苦しいんだ」などと声のトーンが上がった。
■加藤財務相「生活負担高まっている」
全国12カ所で一斉に開催されたといい、同様のデモ活動は最近相次いでいる。
背景について、加藤勝信財務相は14日の記者会見で「食料品はじめ身の回りの物価が上昇し、実質賃金は上がらない。生活の負担が高まってきていることだ」と指摘し、「データに基づいた議論で、経済再生と財政健全化の両立を図っていくことが重要だ」と語った。
財務省前のデモ活動には、スマートフォンで撮影するユーチューバーらしき人も数多く駆けつけた。岩手県大船渡市から初めて財務省解体デモに参加したという初老の男性は「最近話題になっているから、どんなものか見に来た。特に政策を訴えに来たわけではない」と語った。(奥原慎平)
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