( 275554 )  2025/03/17 06:33:11  
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たばこ休憩が法的に認められているかどうかについて、労働基準法に基づいて解説が行われています。

労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分の休憩時間を与える必要がありますが、「たばこ休憩」は労働から解放されていないため、休憩時間には該当しない可能性があります。

ただし、適度な息抜きは労働者のパフォーマンス向上につながるため、たばこ休憩はある程度認められるべきであるという立場が示されています。

しかし、たばこ休憩が過度に頻繁であったり、業務に支障を来す場合は問題とされ、場合によっては懲戒の対象になる可能性もあると述べられています。

たばこ休憩に対する適切な時間管理や業務への影響について、使用者側と労働者の双方の配慮が求められると指摘されています。

(要約)

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画像はイメージです(Ushico / PIXTA) 

 

「たばこ休憩はズルいのではないか」という相談が、弁護士ドットコムによく寄せられます。そもそも、「たばこ休憩」は法的に認められているのでしょうか。たばこを吸わない人が働いている間に、たばこ休憩を取られるのは不公平ではないのでしょうか。 

 

法的問題を簡単に整理してみました。 

 

労働基準法は、労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分、8時間を超える場合には少なくとも1時間の休憩時間を、労働時間の途中に与えなければならない、と規定しています(労基法34条1項)。 

 

しかし、「たばこ休憩」は、事案にもよるのですが、通常想定されるような取り方であれば、この「休憩時間」にはあたらないと考えられます。 

 

というのも、労基法の定める休憩時間は、労働から解放されたものである必要があるからです。 

 

通常のたばこ休憩は、勤務場所からそれほど離れていない喫煙スペースに移動して、10分程度自分の机から離れるものでしょう。連絡があればいつでも対応できるような状態であると考えられます。 

 

喫煙場所が勤務場所からかなり離れているとか、喫煙時間が特に長いなどの事情がなければ、労働から解放されてはいないと評価されるでしょう。 

 

労働から解放されていない場合、その時間は「労働時間」となります。 

 

そうすると、昼食休憩などの時間以外に、たばこ休憩をどんどん取ってもかまわない、全部労働時間になって給料が支払われる、ということになるのでしょうか?‥そんなことはありません。 

 

労働者には、労働契約上、職務に専念する義務があります。 

もちろん、「常に100%集中しきらなければならない」というのは現実的ではありませんし、適度な息抜きはパフォーマンスを向上させるものです。 

したがって、息抜きの範囲として社会通念上許容される程度のたばこ休憩であれば問題ありません。 

 

しかし、たばこ休憩があまりにも頻回にわたったり、たばこ休憩の時間を合計すると数時間にわたってしまったり、たばこ休憩中に顧客や他の社員と連絡が滞ったりするなど、業務遂行上支障が出るのであれば、職務専念義務に反するものとして、場合によっては懲戒の対象になる可能性もあります。 

 

 

たばこ休憩のみが許され、他の理由で席を立つことが一切許されないというのは、たしかに不平等に感じるでしょう。 

 

本来、たばこ休憩もパフォーマンス向上のための一定の息抜きという位置づけのはずです。たばこを吸わない人もコーヒーブレイクをとるなり、少し席を立って息抜きをすることなどが認められるべきでしょう。 

 

他方、たばこ休憩をとる人が、過度に長い時間離席していることが問題だ、ということであれば、非喫煙者も同様の長時間の離席を認められるという話ではなく、たばこ休憩を長く取り過ぎる人に対する使用者側の管理の問題ということになります。 

 

なお、当然ですが、使用者側がたばこ休憩を長くとる人に、特に目立った対応をしていないように見えても、勤務態度の評価に反映されている可能性は十分あります。 

(弁護士ドットコムニュース編集部・弁護士/小倉匡洋) 

 

 

 
 

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