( 277071 ) 2025/03/23 05:10:20 0 00 写真:現代ビジネス
永田町の常識は世間の非常識――。
石破茂首相が自民党1期生議員へ10万円の商品券を配布した問題を巡って、このフレーズがメディアで飛び交っている。だが、石破首相の「非常識」には、まだ「先」があったことが「現代ビジネス」の取材で明らかになった。
石破首相は3月3日夜、昨秋の衆院選で当選した新人議員15人を首相公邸に招いて懇談会を開いた。その当日の日中、石破首相の秘書が各新人議員の事務所を訪れて1人10万円分の商品券を渡していた、というのが今回の問題だ。
石破首相は発覚当初こそ、
「会食のお土産代わりにご家族への労いなどからポケットマネーで用意をした。政治資金制法上の問題はない」
などと強気の発言をしていた。しかし、「10万円は社会通念上土産として通用する話ではない」「世間の常識とあまりにかけ離れている」などの猛バッシングを受け、
「世の中の方々の感覚と乖離があったと痛切に思う。大変申し訳ない」
と、参議院予算員会で連日陳謝する事態に追い込まれている。
反省にしているのであれば、事実はすべて詳らかにすべきだ。が、石破首相には未だ明かしていないことがある。
自民党関係者が証言する。
「実は石破首相は、新人議員から返却された商品券をもう一度届けていたんです。そして、それもすぐに返却されている。返却されたモノをもう一度届けるのは、永田町でも『非常識』ですよ。新人議員の一人は、支援者に対して経緯説明のLINEを送信しており、そこにはっきりと『(商品券が)また届けられた』と記載されています」
「現代ビジネス」は取材の過程で、そのLINEを確認。送信したのは、新人議員15人のうちの一人である山本大地衆院議員(33歳)だ。
山本議員が送ったLINEは以下の内容だ。
〈秘書より中身を確認するように言われて商品券と気付き、同期1人と相談した上で2人で石破事務所に返却に行きました。その後また届けられたらしいですが、それもすぐに返却した次第です。受け取ったと言うより置き銭をされたと言う方が正しい状況です。
(中略)決してプラスになりませんがやましい事はしていませんので皆様も周りの人に聞かれたら正しくお伝えください〉
時の総理から一方的に届けられた商品券の返却に、苦悩している様子が伝わってくる。「置き銭をされた」という言葉からは、怒りさえ感じられるほどだ。「ご家族への労い」どころか、議員本人に「かけなくてもいい気苦労」を石破首相はかけていたのである。
経緯を知る自民党関係者が言う。
「商品券の再届けをされた議員が山本議員の他にいてもおかしくありません。ですが、自民党議員でいる以上、それを表立っていうことはできないのでしょう。2度目が石破首相の指示によるものかどうかわかりませんが、世間の感覚とどこまでずれまくっているのかと呆れました」
「現代ビジネス」は山本議員に取材を申し込んだが、期日までに回答はなかった(回答があり次第、追記する)。
3月3日に公邸で行われた新人議員との会食には、イノシシ肉のハンバーグ、ラムチョップ、カツカレーなどが出たという。「1人1万5000円の予算で、公邸の私的スペースを使い、飲食も含めポケットマネーから出した」と石破首相は野党の追及に答えているが、飲食代だけで約22万5000円、これに1人10万円分の商品券15人の約150万円が加わる。一見「太っ腹」を思わせるが、「官房機密費」から出ている疑惑も未だ消えてはいない。
「新人議員との会食は公邸で行われ、しかもそこには林芳正官房長官、橘慶一郎官房副長官、青木一彦副官房長官も同席していた。外形的には政治活動と判断されてもまったくおかしくありません。本人の『政治活動ではない』という答弁はどう考えても苦しい。それに巻き込まれた新人議員たちはたまったものではないでしょう。その渦中に、支援者に経過説明をした山本議員は、政治家として筋を通そうとしているようにもみえます」(全国」(全国紙政治部記者)
「40年近くこの場所にいると、感覚がずれてしまったことは事実だ」
これは、野党議員の追及に答えた石破首相の言葉だ。返却された商品券をもう一度届けていたことを見ると、その「感覚のずれ」はかなり大きそうだ。
【つづきを読む】『やっぱり、石破総理も「ハズレ」だった…次の「首相ガチャ」でいきなり再浮上した「候補者ふたり」の名前』
現代ビジネス編集部
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