( 277081 ) 2025/03/23 05:22:27 0 00 警視庁が押収した少年らのパソコンなど(21日、警視庁三田署で)
携帯大手「楽天モバイル」のシステムに不正接続し、通信回線を契約したとして、住所不定の無職少年(17)が逮捕された事件で、回線契約には、生成AI(人工知能)を悪用したプログラムとは別に、仲間の中高生が自作したプログラムも使われていたことが、捜査関係者への取材でわかった。回線はSNSを通じて売却されており、未成年者が高度な技術を悪用して、犯罪ツールを供給している実態が浮かんだ。
警視庁は21日、少年を不正アクセス禁止法違反と電子計算機使用詐欺容疑で逮捕したと発表し、横浜市の高校2年の男子生徒(17)を両容疑で東京地検に書類送検した。
発表によると、2人は共謀して昨年4月、6人分の楽天IDとパスワード(PW)で、同社のシステムに不正ログインし、4回線を契約した疑い。いずれも容疑を認めているという。
捜査関係者への取材で、事件の詳しい経緯が明らかになってきた。少年は2023年12月頃、警視庁が先月逮捕した滋賀県米原市の中学3年の男子生徒(15)ら3人が、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」上で、他人の楽天の回線を販売しているのを見つけた。
少年は、同様に回線を入手して販売することを計画。SNSで知り合った横浜市の中学3年の男子生徒(15)(不正アクセス禁止法違反容疑で書類送検)に、回線を入手するプログラムの作成を依頼した。
中学生は専門知識があり、他人のIDとPWを同社のシステムに機械的に入力するプログラムを自作し、昨年1月に運用を始めた。
ところが、警視庁の捜査の過程で中学生のパソコンが押収されたため、少年は横浜市の高校生に計画への参画を依頼。米原市の中学生側から、何らかの方法で生成AIのプログラムの提供を受け、楽天モバイルへの不正アクセスを継続したとみられる。
横浜市の高校生はこれとは別に、回線契約を自動で行うプログラムを自作していたという。これらに使われたIDとPWは、少年がテレグラム上で「楽天IDを売ってほしい」と呼びかけて購入していた。
少年らの端末からは計約3万5000件の楽天IDが見つかった。警視庁は、少年らが複数のプログラムを使い、不正契約を実行していたとみている。
少年は、楽天モバイルが一つの楽天IDで最大15回線まで契約でき、追加契約に本人確認書類の提出が不要なことを調べて、「楽天を狙った」と供述している。警視庁幹部は「特定企業の対策の脆弱(ぜいじゃく)性がSNSで拡散されており、大きな脅威だ」と語った。
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