( 277339 )  2025/03/24 05:09:38  
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すき家の鳥取南吉方店で、味噌汁にネズミの死骸が混入していたという報告があり、すき家はそれを認めた。

投稿から約2か月後に公表したことについても謝罪し、「すき家」に限らず飲食店での異物混入は他でも発生している。

企業のリスクマネジメントや顧客対応の点で疑問が残るが、再発防止が必要とされている。

(要約)

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すき家がネズミ混入を認める(時事通信フォト。写真は東京都港区の店舗であり当該の店舗ではありません) 

 

《味噌汁の中にねずみの死骸が混入していました》──1月下旬、牛丼チェーン・「すき家」鳥取南吉方店のGoogleマップ上に、信じがたい報告が画像付きで公開され、「クチコミ」としてアップされた。3月下旬、その投稿が改めてSNS上で話題になり、NEWSポストセブンがすき家に問い合わせたところ、3月22日、公式HP上に「すき家に関する一部報道について」というリリースで、以下のように投稿を事実と認めた。 

 

〈本日、当社が運営するすき家の当該店舗で提供した「みそ汁」に異物(ネズミ)が混入していたことに関する報道がありました〉 

 

〈1月21日午前8時頃、当該店舗にてお客様より従業員へ、喫食前の「みそ汁」に異物が混入しているとのご指摘をいただきました。その場で従業員も目視を行い、異物が混入していたことを確認しています〉 

 

 また発表が約2か月後になったことについても、「すき家」は前出のリリースで 

 

〈発生当初に当社がホームページ等での公表を控えたことで、事後の断片的・間接的な情報により多くのお客様に不安と懸念を抱かせる結果となってしまいました。お客様および関係者の皆様に、ご迷惑とご心配をおかけしたことを改めてお詫び申し上げます〉 

 

 と謝罪している。 

 

 SNS上で物議を醸したのは、あるネットユーザーの投稿内容がきっかけだった。書き込みの冒頭には日付が記されており、 

 

《たまかけ朝食を注文したところ味噌汁の中にねずみの死骸が混入していました。考えられません。一応保健所と本社には連絡しました。これ以降食欲が湧きません》(原文ママ) 

 

 とあり、ネズミと見られる異物が浮かんでいる味噌汁の画像が添付されていた。飲食チェーンに詳しいWebライターが語る。 

 

「提供までに気づかないのは不自然なほどのサイズのネズミだったため、SNSでは生成AIなどを使って作られた画像なのではないかという指摘もありました。しかし、『すき家』は今回のリリースで混入の事実を認めたことになります。 

 

 同投稿者の他の『クチコミ』では、以前から近隣の別店舗を紹介しており、不自然には見えなかった。画像があまりに衝撃的だったこと、『すき家』から何も発表がなかったことから、投稿の真偽が疑われる形になった」 

 

 NEWSポストセブンは発表の前日となる3月21日、「すき家」に質問状を送っており、リリースと同じタイミングで回答があった。内容の大部分はリリースと重複するため、重複しない点のみ回答を抜粋して掲載する。 

 

 

——今年1月に投稿されたと思われる本投稿について、貴社はいつ把握されていたでしょうか。 

 

 本事案が発生した当日、当該のお客様から当社に電話でご連絡をいただいて把握しました。 

 

——電話で実態を把握した際、どのように対応されましたでしょうか。 

 

 電話を受けた担当の者からお客様にお詫び申し上げました。 

 

——本件投稿者とのやり取りはありましたでしょうか。また、こちらの投稿者に対し、今後どのような対処をされるご予定でしょうか。 

 

 お客様との個別のやりとりに関しては詳細を控えさせていただきます。 

 

  

 前出のリリースでは、店舗で当該の客から従業員にネズミ混入の指摘があり、その場で確認して謝罪したと説明していた。 

 

 別途、本社は客からの電話を受けて謝罪していたことになる。さらに、保健所とのやり取りもあったことが明らかになっている。それほどの事案であり、かつ間違いなく本社側が把握していることなのに、なぜ2ヶ月も公表せずにいたのかは企業のリスクマネジメントや顧客対応の点で疑問が残る。 

 

 飲食店における異物混入は「すき家」に限ったことではない。全国に多くの店舗をチェーン展開する外食産業や食品メーカーなどでも発生している事案だ。全国に約2000店舗展開する「すき家」と同様、食品系の企業はそうしたリスクと常に隣り合わせにある。多くの人々に愛されている牛丼チェーンだからこそ、再発防止の徹底が求められるだろう。 

 

 

 
 

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