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東京首都圏では、新築マンションの価格が高騰し続けており、東京23区の平均価格が10カ月連続で1億円を超えています。

同様に、埼玉県でも新築マンションの価格が急騰し、価格が1年で約2倍になっています。

世帯年収が1000万円の場合でも、マンションの購入が難しい状況です。

購入を検討している人々は、「高すぎて手が出ない」と苦労しています。

この背景には、建築費や人件費の高騰、供給の減少、そして投資家の影響があります。

一戸建ての購入が選択されるケースも増えており、将来的にもマンション価格が上昇する可能性があるとされています。

自治体や事業者は、投資目的でのマンション購入対策として、購入制限や転売不可の対策を講じています。

(要約)

( 277891 )  2025/03/26 06:03:26  
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首都圏マンション価格高騰 

 

新築マンションの高騰が続き、東京23区の2月の平均価格は10カ月連続で1億円超え、高値は23区の近郊にも波及しています。 

 

東京23区の新築マンション価格の平均が、1億円を超えています。2025年2月の平均価格は、前の年と比べて+14.1%の1億392万円。10カ月連続で1億円を超えました。 

東京23区の新築マンションの価格推移です。2013年は5853万円だったのが、2024年は1億1181万円。約10年で1.9倍です。 

 

1年で約2倍に 埼玉でも高騰 

 

そして、埼玉でも新築マンションが高騰しています。埼玉県の2025年2月のマンション平均価格は9958万円、前の年と比べて+96.6%。1年で約2倍になっています。これは1973年の調査開始以来、過去最高です。さいたま市浦和区や川口市のタワーマンションが、平均価格を押し上げたということです。 

 

世帯年収1000万円でも「夢のまた夢」 

 

日本の1人あたりの平均給与は、460万円です。マンションを買う目安は、新築マンションの場合、年収の7.2倍で、平均給与で換算すると3312万円です。中古マンションの場合では、年収の5.6倍で、平均給与で換算すると2576万円です。 

 

「高すぎて手が出ない」の声も 

 

街の声です。「マンションが高過ぎるので手が出ない。憧れはあるけれど、現実はまだしばらく賃貸かも」「住めたらいいんでしょうけど、対象の方が限られている。『夢のまた夢』って感じ」 

 

世帯年収1000万円 マンション購入検討 

 

例えば、Aさん家族の場合です。夫は30代で自動車メーカー勤務、妻は30代でパート、子どもは1歳9カ月の3人家族です。世帯年収は約1000万円です。 

 

購入検討のマンション 1年で約1000万円値上がり 

 

Aさん家族は、子どもが生まれたことをきっかけに、2年前からマンションの購入を検討していました。エリアは葛飾区で、最寄駅から徒歩2分の3LDK、値段は約8000万円の物件でした。これが、周辺に大型商業施設ができるなどして、1年で約1000万円値上がりしました。 

Aさんです。「物件を探している間にも値上がりした。『マンションは、売るときに値が上がるから大丈夫』というアドバイスをもらったが、売った後、次の家も高くなっているということだから諦めた」 

 

 

結果 一戸建てを購入 なぜ? 

 

結果、Aさんは、一戸建ての注文住宅を購入しました。エリアは同じ葛飾区、最寄り駅から徒歩4分、間取りは3LDKに屋上が付きました。値段は約9000万円です。Aさんは、「検討していたマンションを、もし今買うとしたら、もっと高くなっていた。好きな間取りにもできたので、戸建てにして、結果良かった」と話しています。 

 

止まらないマンション高騰 

 

マンション価格が高騰している理由です。理由の1つ目は、建築費の高騰です。建築資材が高くなり、人件費も高くなっているため、建築費が高くなっています。 

 

建築費・人件費の高騰が要因 

 

建築資材は、2015年を100とした場合、139.5まで上がっています。紙や木、コンクリートなどの資材が値上がりしています。人件費は、人手不足で高くなっています。 

建築業に就いている人は、1997年は685万人でしたが、2022年は479万人で、約30%減っています。さらに残業規制の強化で、人手不足に拍車がかかり、人件費が高騰しています。 

 

供給減少も高騰の要因 

 

マンションの価格高騰、もう1つの理由が、供給の減少です。東京23区の新築マンションの発売戸数は、2013年は2万8340戸が売られていましたが、2024年は8275戸。3分の1以下に減りました。 

 

供給減少のワケ 

 

不動産事情に詳しい東京カンテイ顧問の井出武さんによると、「建築費の高騰で、不動産会社も利益確保のため、高くても売れるエリアにだけマンションを作る。人気エリアは用地が限られているので、供給数が減っている」ということです。 

 

マンション高騰のウラに投資家の影 

 

マンション高騰の理由に、投資家の存在もあるようです。築浅マンションの転売が増えています。首都圏と大阪、愛知で、築1年以内のマンションの転売件数は、2024年1年間で1200件を超えました。10年前と比べ、約3倍です。 

東京カンテイ顧問の井出さんです。「転売のうま味が高まり、住む予定のない投資目的や資産重視の事業者や投資家が購入している。転売ブームみたいなものが起きると、さらに価格が高騰するおそれも」 

 

 

東京のマンションは世界的に見て安い 

 

東京と世界の都市のマンション価格の比較です。東京を100とした場合、韓国・ソウルは安いですが、その他は、東京と比べて価格が高くなっています。東京のマンションは、世界的に見ると安いということです。井出さんによると、「今後もまだまだ価格は上がる可能性がある。海外から見ても、日本のマンション価格は、まだまだ割安とみられている。賃貸収入より転売利益を重視する傾向は、バブル期と共通する動き」ということです。 

 

投資目的でマンション購入 新たな対策も 

 

投資目的の購入に対する、自治体や事業者側の対策です。神戸市は、『空室税(くうしつぜい)』の導入を検討しています。神戸市内に建つタワーマンションでは、40階以上の33.7%、30階~39階までの21.2%が住民登録がない空き部屋となっています。投資目的で買っているので、住んでいません。神戸市では、こうした空室の所有者に課す空室税の導入に向けた検討を始めました。 

久元神戸市長です。「かなりの部分が投資目的に購入されて、居住目的の人が手に入らない」 

 

購入制限や転売不可の対策 

 

購入制限を設ける事業者も出ています。埼玉県の『浦和ザ・タワー』(野村不動産)では、1名義あたり2戸までという購入制限を設けています。 

転売不可の条項を設ける事業者もあります。 

都内の『シティタワーズ板橋大山』や『グランドシティタワー池袋』(住友不動産)では、 

●引き渡し日から5年間譲渡不可、 

●短期間で譲渡する場合、事業者は購入時の価格で買い戻せる、 

という条項を契約の中に設けています。 

 

投資購入対策の理由は? 

 

住友不動産の担当者です。「公共性・公益性の高い再開発事業に基づいた建設物件であることを踏まえ、投機目的の購入を防ぎ、実際に住まわれる方にご購入いただくため、新しい試みの一つとして試験的に導入した」 

 

(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年3月24日放送分より) 

 

 

 
 

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