( 278309 )  2025/03/28 03:45:26  
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高崎市で4年生の女児が上信電鉄の踏切で事故に遭い亡くなった。

国の運輸安全委員会は、事故原因を調査し、「第4種踏切」の安全性向上のためには廃止することが望ましいと指摘した。

女児が列車にはねられたのは、警報機や遮断機のない天水踏切で、警笛の有無について説明がつかなかった。

今後は第1種踏切に改良するか、廃止するかを考える必要があり、同社は第4種踏切の改良を進める方針。

第4種踏切は全国に2367箇所あり、そのうち45ヶ所は上信電鉄の路線にあるが、国土交通省は減少を促している。

(要約)

( 278311 )  2025/03/28 03:45:26  
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小学4年の女児が電車にはねられ亡くなった上信電鉄の「天水踏切」。花や飲み物、お菓子が供えられていた=2024年4月10日午後1時7分、群馬県高崎市吉井町小暮乙、中沢絢乃撮影 

 

 群馬県高崎市の上信電鉄の踏切で昨年4月、近くに住む小学4年生の女児(9)が列車にはねられ死亡した事故で、国の運輸安全委員会は27日、事故原因などをまとめた調査報告書を公表した。事故現場となった警報機や遮断機のない「第4種踏切」について、「安全性向上のためには廃止するのが望ましい」と指摘した。 

 

 事故は昨年4月6日朝、同市吉井町の「天水踏切」で発生。犬の散歩をしていた女児が犬を追いかけて踏切に進入した際、列車にはねられ死亡した。運転士は女児が踏切に近づいてくるのを見て、踏切の約50メートル前から警笛を鳴らしたと説明。一方、現場そばにいた女児の親族は警笛を聞いておらず、報告書では警笛の有無について「明らかにすることはできなかった」としている。 

 

 報告書では、第4種踏切について「廃止するのが望ましい」とし、廃止できない場合は、警報機と遮断機がついた「第1種踏切」に替えるべきだと指摘。改良までの間も、注意喚起の看板の設置などの安全対策を求めた。同社の路線では事故時に第4種踏切が45カ所あり、「同社及び沿線自治体は、早期に廃止または第1種化に向けた協議を行うことが必要」としている。 

 

 上信電鉄は、事故現場の踏切を含めた高崎市内の4カ所の第4種踏切について、2025年度から第1種にする予定で作業しているという。 

 

 第4種踏切は人通りや列車の本数が少ない地方に多く、国土交通省によると、24年3月末時点で全国に2367カ所(踏切全体の約7%)あるという。近年は減少傾向にあるが、たびたび死亡事故が起きており、同省は鉄道事業者に対して第4種踏切を減らすよう働きかけている。改良費用の最大で半額を国で負担するほか、手動遮断機の設置費用の補助も25年度から始める。(増山祐史) 

 

朝日新聞社 

 

 

 
 

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