( 278419 )  2025/03/28 05:48:41  
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26日から2回目の入札が始まった「備蓄米」について、価格に地域差が生まれる可能性が指摘されている状況や、コメ価格の下落に期待と不透明要素がある中で、各地の店舗や卸業者に備蓄米がまだ届いていない現状が報じられた。

価格や入荷状況に関する不確実性や地域差についての懸念が示された。

(要約)

( 278421 )  2025/03/28 05:48:41  
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FNNプライムオンライン 

 

26日から2回目の入札が始まった「備蓄米」。 

 

いまどこまで届いているのか、そして、コメの価格は本当に下がるのか。 

 

専門家からは、価格に「地域差」が生まれる可能性も指摘されている。一体どういうことなのか。 

 

ランチタイムに大勢のお客さんで賑わうのは…奈良市内で70代の夫婦が営む、中華料理店。 

 

野菜サラダが付いた「焼きメシ」や、昔ながらのオムライスが大人気のこちらのお店。しかし、店主の義廣さんを悩ませ続けているのが… 

 

中華料理大寛・村上義廣店主:(Q米の値段上がるのは店にとっては?)思いっきりマイナス、大反対。2人やからやっていけるけど。 

 

そう、終わりのみえない、日本の「米」問題だ。 

 

営業が始まる前… 

 

お願いします〜。 

 

中華料理大寛・村上義廣店主:早いなー。 

 

毎日一升から二升の米を炊くということで少しでも安いスーパーへ買い出しに行く。購入した米の値段は、5キロで税込みにすると4000円ほど。(税込み3985円) 

 

中華料理大寛・村上義廣店主:高い高い、そら高い。2000円台普通わな。 

 

米も物価も高騰する中ですが、10年近くメニューの値上げはしていないという。 

 

中華料理大寛・村上三和子さん(72):昔はね、おかわりも自由やったんやけど。自由にしたら…ちょっと無理。 

 

中華料理大寛・村上義廣店主:お客さんの身になったら安い方がいいやん安くてうまい!努力! 

 

一方、米不足が長期化する中、京都府舞鶴市では、こんな店も・・。 

 

創業90年のこちらの店では、米を確保できず、供給のメドが立つまで閉店を余儀なくされた。 

 

まつもと米穀(3代目)松本泰社長:いろんな手を尽くしてお米が入らないものかということで奔走したんですけど、無念の一言です。 

 

そんな中で、今月18日に放出されたのが「備蓄米」。26日からは7万トンを対象とする2回目の入札もスタート。「JA全農」系列の全農パールライスによると、すでに1回目の備蓄米は首都圏の一部店舗に出荷され、店頭に並び始めているということだ。 

 

大手卸業者は、備蓄米の店頭価格について「5キロあたり3000円から3500円になる」と説明。これは今月、過去最高の4000円を超えたコメの平均販売価格より安い水準で売られることを意味する。 

 

江藤拓農水相:あまり価格のことみてコミットするのは適切ではありませんが、店頭価格には影響は出るのではないか。 

 

 

では、関西に「備蓄米」は届いているのか。 

 

フレッシュマーケットアオイ 内田寿仁社長(Q米がたくさんありますが備蓄米は?):いや、私どものところにはまだ来てないですね。いつ入ってくるかもわからないし正直先行きが見通せてない状況です。 

 

残念ながらこちらのスーパーに備蓄米は届いていなかった。そして米の価格は、先月から今月初旬にかけて値上がりし、今も高止まり状態が続いている。 

 

さらに専門家からは肝心の「備蓄米の価格」について、「地域差」がうまれる可能性があるという指摘が。 

 

農業ジャーナリスト 松平尚也さん:落札された備蓄米の多くは東日本に保管されているという状況。 

 

首都圏の一部店舗では、店頭に並び始めているという「備蓄米」。米価格が下落することが期待される一方で、専門家からはこんな指摘が。 

 

農業ジャーナリスト 松平尚也さん:落札された備蓄米の多くは東日本に保管されているという状況。流通のコストも地域差に影響を与える可能性がある。 

 

全国各地にあるおよそ300の倉庫に貯蔵されている備蓄米。一方、1回目の入札で対象となったのは、東日本の米が中心。そのため、西日本では輸送コストが大きくなる可能性が想定される。 

 

専門家によると、他にも流通ルートの整備状況の差などが影響し、同じ備蓄米でも、地域によって価格差が出る可能性があるということだ。 

 

農業ジャーナリスト松平尚也さん:そもそも入札の段階で流通コストを勘案して入札を控えた業者もいます。偏りのない仕組みも求められていると思う。 

 

さらに取材を進めると、想像以上に備蓄米が行きわたっていない現状も見えてきた。訪ねたのは、大阪府八尾市にある、米の小売店。 

 

お米のみなもと 源利昭さん:(Q意外と充実しているという感じだが少ない?)「足りません。これだけあっても足りません。(Q普段どれくらいある?)普段は棚いっぱいですわ。上も。 

 

たくさん米があるようにも見えるが、1日およそ500キロなくなっていくということで、心もとない量。そのため普段では購入しない時期に緊急で7500キロの米を購入したということだ。備蓄米には「期待したい」ということだが・・。 

 

お米のみなもと 源利昭さん(Qこのお店に備蓄米が来ることは?):今のところ見通しは暗いですな。 

 

その理由は。 

 

お米のみなもと 源利昭さん:卸屋さん自体がお米(備蓄米)入ってこないもんで。『備蓄米いつになったらはいるんですか』って尋ねますけど、『まだ入ってません』とか最終的には『入りません』って言いはるから。 

 

 

備蓄米はJA全農などからまず米を買い取る卸業者へ。その後スーパーや小売店に卸されるのだが、そもそも卸業者に備蓄米が届いていないケースがあるという。この現状を知り、実際に取材班は関西の卸売業者29社に聞き取り調査を行った。 

 

すると、備蓄米の入荷メドがたっていたのは、大手企業1社のみ。その他に「備蓄米」入荷の見通しが立っていると回答した企業はなかった。中には不満の声も・・・ 

 

卸売業者:結局大手の卸業者にしか来ていない。スーパーとも取引があるが備蓄米がうちに来ていないからスーパーに渡せない。 

 

この状況に専門家は。 

 

農業ジャーナリスト 松平尚也さん:地域のお米屋さんとかあるいは中小のスーパーは地域で食糧を安定供給してきた。そこに備蓄米の情報が来ていないのは大問題なのかなと。仕組みの修正が必要かなと思います。 

 

私たちの主食、米の価格が落ち着く日は、いつになるのか。 

 

(関西テレビ「newsランナー」2025年3月27日放送) 

 

関西テレビ 

 

 

 
 

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