( 278434 )  2025/03/28 06:07:25  
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「すき家」の一店舗で味噌汁にネズミの死骸が混入していた事件がSNSで拡散され、すき家は異物混入を認めた。

すき家は具材を入れたお椀を一時保管する冷蔵庫で混入した可能性が高いと認識している。

しかし、クルーからは、作業手順上ネズミが混入するのは不自然という意見もあり、混入経路については疑問が残る。

今後、すき家の回答の全容が後編記事で公開される予定だ。

(要約)

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すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・HPより 写真はいずれも当該の店舗、クルーではありません) 

 

《味噌汁の中にねずみの死骸が混入していました》──大手牛丼チェーン「すき家」は3月22日、SNS上で拡散されていたクチコミについて公式ホームページでコメントを発表した。 

 

〈1月21日午前8時頃、当該店舗にてお客様より従業員へ、喫食前の「みそ汁」に異物が混入しているとのご指摘をいただきました。その場で従業員も目視を行い、異物が混入していたことを確認しています〉 

 

 問題となっているクチコミは、「すき家」鳥取南吉方店のGoogleマップ上に投稿されたものだ。味噌汁の椀の中にネズミの死骸が丸ごと入っている画像が添えられており、あまりに衝撃的な様子からネット上ではAIによるフェイク画像を疑う声もあったが、「すき家」が異物混入を事実と認めた形だ。 

 

「すき家」は、ネズミが混入した経緯を以下のように説明している。 

 

〈混入原因について調査を行った結果、「みそ汁」の具材をお椀に入れて複数個準備をする段階において、そのうちの1つのお椀の中に異物が混入していたと考えられています。当該従業員が提供前に商品状態の目視確認を怠ったため、異物に気付かずに提供が行われました〉 

 

 この説明に首をひねるのが、東京都内の「すき家」の店舗で2年ほどクルーとして働く男性だ。 

 

「味噌汁用のお椀のひとつにネズミが入っていたとしていますが、味噌汁作りのオペレーションを考えると、多少ぼんやりしていようがスタッフがさすがに気づくはずです」(「すき家」の現役クルー、以下同) 

 

 この男性によると、通常のオペレーション上、まずお椀にワカメとネギ、油揚げを手作業で入れた後にふたをして、36杯をワンセットとして冷蔵庫内に保存しておくという。必要になり次第、保温性の鍋から味噌汁をおたまですくい、椀に注いで提供することになっている。 

 

「お椀の内側の面積が10だとすると、具材は1くらいなので、あんなに大きなネズミが紛れ込んだら持ったときにすぐ気づくはずです。また、味噌汁は80度を超える熱さなので、お椀に注ぐときは、やけどしないように手元を見ます。 

 

『味噌汁を保温している鍋のほうにネズミが混入しているのに気づかず、おたまですくって椀に注いでしまった』というなら、まだ納得できるのですが……。作業が忙しくなったりすると、鍋のふたを開いたまま厨房に置きっぱなしにしてしまうこともあるので、鍋に混入する可能性は考えられます。 

 

 ただ、鍋のほうにネズミが入っていたとなると、かなりの杯数分が入る容量の鍋なので、多くのお客さまがネズミがダシになった味噌汁を飲んだことになってしまいますよね……」 

 

 この男性が都内の店舗で撮影した「具材のみが入っている準備段階のお椀」の写真を見ると、確かに具材が占める容量は全体の1割程度になっている。鳥取の店舗がまったく同じオペレーションで味噌汁を作っていたかは不明だが、汁を入れる前にネズミが入っていたらかなり目立つはずだ。 

 

 

 また、九州の店舗で10年以上働いたという女性も「予め具材を入れておいたお椀は、提供のときまで冷蔵庫にしまっておくので、ネズミが混入するタイミングは想像がつきません」と証言した。 

 

 いかにして鍋ではなく、味噌汁の椀にネズミが混入したのか。「すき家」広報部に混入経路について問い合わせたところ、約1300文字にのぼる長い回答があった。その要旨は、以下の内容だった。 

 

「お椀への混入原因については、みそ汁の具材を入れたお椀を冷蔵庫で一時保管していた間に混入した可能性が高いというのが当社の認識です」 

 

「異物が店内に侵入した経路については、当該店舗の大型冷蔵庫の扉が店外に面しており、その下部に発生していたパッキンのひび割れから侵入した可能性が高いと考えています」 

 

 さらに「すき家」は、防犯カメラの映像や科学的な検査結果なども根拠に「異物が鍋に混入した可能性は著しく低いと考えております」とした。後編記事では、すき家が回答した全内容を掲載する。 

 

(後編記事につづく) 

 

 

 
 

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