( 279651 ) 2025/04/02 04:47:44 0 00 江藤拓農水相
農林水産省は3月31日、全国農業協同組合連合会(JA全農)などの大手集荷業者を通さず、生産者から卸売業者などに直接販売されたコメが、1月末時点で前年に比べて44万トン増えたと発表した。そのうちの一部は、生産者や卸売業者、小売りや外食の各段階で計19万トンの在庫として積み増されたことも判明。昨夏のコメ不足以降、農家などからの直接買い付け業者が増えたとみて、「流通の目詰まりが確認できた」と結論付けた。農水省はコメの価格高騰について、流通の目詰まりが要因と主張していた。
調査によると、生産者などから大手集荷業者への流通量は31万トン減少した。一方で、生産者の直接販売や新たな業者との取引が前年に比べ44万トン増加。その一部は在庫に回され、生産者段階で9万トン、卸売業者の段階で3万トン、小売りや中食・外食業者の段階で7万トン、前の年に比べて在庫が増えたとした。
同日会見した江藤拓農水相は、「各事業者が先々を心配して、コメを確保しようと先回りし、在庫を積み上げていった結果ではないか」と説明。農水省はコメ流通の正常化に向けて計21万トンの政府備蓄米の放出を決めているが、流通に改善が見られなければ、備蓄米のさらなる放出などの対応を進める考えを改めて示した。
今回の調査結果について、宇都宮大の小川真如助教(農業経済学)は、大手集荷業者を通さずに取引された44万トンについて、「卸や外食産業、消費者の直接購入のほか、業者や消費者を装った購入者と取引された可能性が推察される」と指摘。「違法に流通したコメもあるとみられ、実態を細かく分析し、違法流通を厳しく取り締まる体制づくりも求められる」と提言した。
農水省は流通の目詰まりの実態を把握するため、これまで対象外だった小規模な集荷業者や卸売業者、生産者も含めたコメの在庫や流通量を1月末から調査していた。
|
![]() |