( 279839 )  2025/04/03 03:27:46  
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自民党の森下千里衆院議員が選択的夫婦別姓の議論について産経新聞のインタビューに応じ、旧姓の通称使用を拡大していくことが先だと主張。

夫婦別姓導入よりも男女の賃金格差や女性のキャリアアップ支援を優先する声もあると述べた。

議論は30年にわたっており、時間が経ったから導入するのではなく、社会的背景を考慮し慎重に進めるべきだと述べた。

自身の通称名がプライバシーと仕事を分けられる一面があるとし、旧姓の公的使用があれば、アイデンティティーを保ちながら仕事とプライベートを調和させることができると述べた。

(要約)

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インタビューに応じる自民党の森下千里衆院議員=3月27日、国会内(奥原慎平撮影) 

 

自民党の森下千里衆院議員が選択的夫婦別姓の導入の議論を巡って、産経新聞のインタビューに応じた。改姓に伴う不便を解消するため、「旧姓の通称使用を拡大していくことが先ではないか」と語った。森下氏は昨年10月の衆院選で比例代表東北ブロックで初当選。宮城県など地元からは夫婦別姓制度の導入よりも男女の賃金格差是正や女性のキャリアアップ支援を求める声が寄せられているという。 

 

■子供への影響懸念、女性から手紙 

 

──選択的夫婦別姓についての考えは 

 

「夫婦同姓や現在の戸籍のあり方を基本として、議論すべき。ただ、結婚に伴う姓変更の不便さや抵抗を感じることも分かる。まずは不便を解消するため、旧姓の通称使用を拡大していくことが先ではないか」 

 

──国際的に夫婦同姓を義務化しているのは日本だけという指摘がある 

 

「世界中、色々な氏制度がある。どの国も苦労しながら伝統と現代のあいだで折り合いをつけている。それぞれの歴史、価値観や家族のあり方があるのだから、日本には日本のスタイルがあってよいのではないか」 

 

──地元で選択的夫婦別姓を求める声は 

 

「正直、不安の声を聞く。お子さんをお持ちの若い女性から、子供への影響を考えて、家族のあり方を揺るがしかねないと手紙をいただき、驚いたこともある。また、その議論の時間を物価高など生活に直結する問題に使ってほしいといわれることもあった」 

 

──経団連は夫婦同姓制度が女性活躍の障壁となっていると指摘する 

 

「夫婦別姓を実現すれば、女性が活躍する、女性の地位が高まるという単純な話ではない。男性との賃金格差の是正、キャリアアップ支援や保育士の確保など、女性が働きやすい環境整備を進めることが急務だと感じる」 

 

──選択的夫婦別姓の導入が今国会の焦点とされる 

 

「温度差を感じている。なぜそんなにアクセル踏んでいるのだろうと思う所は正直ある」 

 

■「名字は先祖代々受け継がれたもの」 

 

──永田町で選択的夫婦別姓議論が先行する理由は 

 

 

「(法制審が平成8年に導入を答申し)30年近く議論されてきたからでしょうか。ただ、こういう話は時間がたったから決めましょうではなく、しっかり議論して社会的背景を見て必要かどうか考えるべきだと思う」 

 

──自民党内の意見は 

 

「一足飛びに夫婦別姓という結果でなく、国民全体への影響を考慮し慎重に着実に行きましょうという人が大半だと思う」 

 

「実は、『森下』は通称で芸名。2つの名字があることで、プライバシーと仕事を切り離すことができると感じている。名義変更の煩雑さはあるが、旧姓を公的に使用できれば、アイデンティティーを守りながら、ビジネスとプライベート両方を大切にすることができる」 

 

──立憲民主党の野田佳彦代表は選択的夫婦別姓法案で自民党に揺さぶりをかけるという 

 

「自民党が弱い状況で、夫婦別姓は確かにふるいにかけられるテーマだと思う。でも、政治家は国民の生活を守ることが仕事だと思っている。家族のあり方を政局に使うのは良くない。また、名前は両親からのプレゼントであり、名字は先祖代々受け継がれてきたもの。大切にしたい」 

 

(聞き手 奥原慎平、水内茂幸) 

 

 

 
 

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