( 280324 )  2025/04/04 07:17:44  
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トランプ米大統領が相互関税を発表した後、欧州連合(EU)の各国首脳からは、関税に対する批判がありつつも、交渉を通じた解決を模索する姿勢が見られた。

イタリアのメローニ首相やスウェーデンのクリステション首相も、貿易戦争を避けるため交渉を続ける姿勢を示している。

EUは20%の相互関税に対し、対抗措置を辞さない姿勢を示しているが、関税引き上げが欧州の経済に悪影響を及ぼす可能性もある。

EUは貿易摩擦を避け、対話による解決を模索している。

(要約)

( 280326 )  2025/04/04 07:17:44  
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ブリュッセルの欧州委員会本部ビル=八田浩輔撮影 

 

 トランプ米大統領が2日、米国に高率の関税を課す国に同程度の関税を発動する「相互関税」の税率を発表したことを受け、米国と通商上の結び付きが強い欧州連合(EU)を構成する各国首脳からは、課税を批判しつつも、交渉による解決を引き続き模索する声が出た。お互いに高関税をかけ合う「貿易戦争」に突入するのは避けたい考えを示した。 

 

 イタリアのメローニ首相はフェイスブックに、米国の相互関税導入は「間違っていると思う」と投稿した。ただし、貿易戦争に陥れば、「欧米は弱体化し、他の大国らを利する」として、折り合いをつけるために「できることは何でもする」と、交渉を続ける姿勢を強調した。スウェーデンのクリステション首相もX(ツイッター)に「貿易障壁を高めたくない。貿易戦争を求めていない。引き返す道を見つけたい」と述べる動画を投稿した。 

 

 トランプ政権はEUに対しては20%の相互関税を課すことを発表した。EUと米国の通商関係は世界最大規模。一方で2024年、EUの対米貿易(サービスを除く)黒字額は1982億ユーロ(約32兆円)に達しており、トランプ政権が問題視する国・地域の一つだった。 

 

 関税引き上げは、低成長に悩む欧州の景気をさらに下押ししかねない。EUは米国の高関税政策に対し、対抗措置も辞さない姿勢を示してきたが、影響は輸入コストの増加などを通じて域内経済にも及ぶ。 

 

 コスタ欧州理事会常任議長(EU大統領)は相互関税発表前に、欧州のニュース専門テレビ局「ユーロニュース」のインタビューに「我々は断固とした対応を取るが、賢いやり方にする。交渉による解決に至らないといけない」と述べ、貿易摩擦がエスカレートする事態を避けたい考えをにじませた。【ブリュッセル岡大介】 

 

 

 
 

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