( 282584 )  2025/04/13 05:26:32  
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ファミリーマートがキャッシュレス決済に関するステッカーを貼り、キャッシュレス決済の手数料が増加して店舗に負担となっている現状が話題になっています。

ITジャーナリストの三上洋氏によると、キャッシュレス決済の手数料は2〜3%で、決済代行会社、決済事業者、クレジットカード会社に分配されるため、そんなに高いわけではないと述べています。

しかし、小規模店や地域格差など、キャッシュレス導入には課題があることも指摘されています。

新紙幣発行によってキャッシュレス化が促進される可能性もあります。

(要約)

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FNNプライムオンライン 

 

「キャッシュレス決済は店舗手数料負担が極めて大きくなっております。現金かファミペイでのお支払いをお願いできれば幸いです」 

 

ファミリーマートのレジ横に貼られたステッカーが話題をよんでいる。 

 

ここ数年、急速にキャッシュレス化が進む中、いち早く対応していたコンビニのまさかのお願いに驚いた。 

 

ファミリーマート本部は取材に対し、「決済におけるキャッシュレス比率の高まりにより、決済手数料の増加が店舗運営における課題となっており、ファミリーマート本部として、決済手数料負担の軽減のため、お支払いを現金もしくは決済手数料が少額なファミペイのご利用をご案内しております」としながらも、「現金やファミペイに決済手段を限定するものではない」とコメントした。 

 

3月31日、経済産業省は、2024年のキャッシュレス決済比率が42.8パーセントだったと発表。政府目標の4割を達成したという。 

 

消費者としては、すっかりキャッシュレスの便利さに慣れてしまったが、店側の手数料はそんなに大変なのか。 

 

政府は将来的にキャッシュレス決済比率8割を目指すとしているが、今後どうなっていくのだろうか。 

 

キャッシュレス事情に詳しい、ITジャーナリストの三上洋氏に話を聞いた。 

 

ITジャーナリスト 三上洋氏:「キャッシュレス決済の手数料」は、決済方法や事業規模、業種によって異なりますが、2〜3パーセントのところが多いです。 

 

また、手数料の他に「振り込み手数料(決済事業者が店に振り込む時の手数料)」や「月額費用」がかかる場合もあります。 

 

この2〜3パーセントという手数料は、決して高いとは思いません。 

 

なぜなら、キャッシュレス決済は、「店」⇔「決済代行会社」⇔「決済事業者(PayPayやNTTドコモ(d払い)など)」⇔「クレジットカード会社」という仕組みで成り立っており、店が決済代行会社に支払う3パーセントには、あとに控える決済事業者やクレジットカード会社の手数料も含まれているからです。 

 

単純計算ですが3パーセントの手数料を3社で分ければ1パーセント。キャッシュレス決済は、各事業者社にとって非常に薄利な商売なのです。 

 

(Q.ではなぜ、キャッシュレス決済を導入するのですか?) 

 

一般消費者がモノを買う行為が、年間で数百兆円になりますから、その数パーセントでも取れると、大きな利益を生むからです。 

 

 

ITジャーナリスト 三上洋氏:キャッシュレス決済比率が4割を超えました。今後さらに伸びていくでしょう。 

 

こうなってくると、導入しない場合の「機会損失」が大きくなってきます。機械損失とは、本来得られるはずだった利益を逃してしまうことです。 

 

私がよく行く場所に、各飲料メーカーの自動販売機が10台ぐらい並んでいる所があります。 

 

3年ぐらい前までは、すべて現金利用のみだったのですが、1社がキャッシュレスにした途端、他の9社もすべてキャッシュレス自販機にしました。 

 

利用者が飲料を買う時、現金かキャッシュレスかを選ぶわけですが、横並びになると明らかにキャッシュレスの方が売上げが上がる。 

 

「機会損失」がはっきり分かるのだと思います。 

 

ITジャーナリスト 三上洋氏:キャッシュレス決済普及のための「手数料無料キャンペーン」の多くが、2021年後半に終わり、その頃から、キャッシュレス決済をやめる店が、小規模店を中心に出てきました。 

 

中規模のスーパーチェーンでやめた所もあります。 

 

キャッシュレス決済の課題は2つあると思います。 

 

1つはある程度の規模感がないと難しいこと。 

 

客単価が低い店や、安売りの小売店など利幅が非常に少ない事業者にとっては、2〜3パーセントの手数料でも厳しいのが現状です。 

 

例えば1000円のものを売って、利益が100円しかない場合、そこにキャッシュレス決済の3パーセントの手数料が入ると、利益の3割を持っていかれることになってしまいます。 

 

ITジャーナリスト 三上洋氏:2つめは、地域格差です。 

 

地方へ行くと現金比率が高い。キャッシュレス決済の利便性が低いので、みんな使わない。使わないから店も導入しないという悪循環です。 

 

地方だったり、特定の業界だったりは、自治体などの施策として補助金を入れるといった形のサポートが必要だと思います。 

 

(Q.先日見かけた現金のみの自動販売機に「新紙幣は使えません。つまります」と貼ってありました。新紙幣発行でキャッシュレス化はどうなりますか?) 

 

ITジャーナリスト 三上洋氏:ゲームセンターなどでは、新紙幣発行によって「現金利用をやめてキャッシュレス化しよう」といった動きが出ています。 

 

ITジャーナリスト 三上洋氏:両替機の紙幣識別機は、新しいものはソフトウェアをアップデートすれば新紙幣に対応できますが、それ以前のものは機械ごと取り換えることになります。 

 

設置台数によりますが、すべてを取り換えるとなると莫大な費用がかかります。ならばいっそキャッシュレス決済だけ利用できるような対応にしようとなっているのです。 

 

新紙幣発行がキャッシュレス決済を増やすきっかけになるのではと言われています。 

 

ITジャーナリスト 三上洋氏:キャッシュレス決済は、加盟店手数料の他にも、不正利用の問題など、課題はいろいろとあります。 

 

しかし、利用者にとって便利であるだけなく、店側にも売上げの増加や業務の効率化などの大きな利益をもたらすシステムです。 

 

利用者も店側も、自分にあった方法を見つけ、うまく活用していただきたいと思います。 

 

(ITジャーナリスト 三上洋氏) 

 

(関西テレビ 2025年4月12日) 

 

関西テレビ 

 

 

 
 

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