( 282871 ) 2025/04/14 05:40:40 0 00 Photo: Michael M. Santiago / Getty Images
数年前にスニーカーが流行していたころ、人々はランウェイや会社でもスニーカーを履いていた。コレクターたちは最新モデルを手に入れるため、何時間も店の前に並んだり、ウェブサイトやオークションハウスに群がったりした。
だがいまでは、スニーカーショップの行列は短くなるどころか、そもそもあまりできなくなった。限定版のナイキ「エアジョーダン 1」や、アディダスオリジナルスとカニエ・ウェストの「Yeezy」など、かつては定価の4倍以上で売買されていたスニーカーが、いまでは割引価格になっている。
「スニーカーカルチャーは死にました」と話すのは、SNSで300万人以上のフォロワーを持つ「シューチューバー」ことキアス・オマールだ。スニーカーを売買する通称「スニーカーヘッズ」たちは、60億ドル規模のリセール市場の低迷を懸念している。
2023年末、フランスの「Kikikickz」やオランダの「Restocks」といったオンラインマーケットプレイスが相次いで破産。2025年1月には、スウェーデン発のスニーカーショップ「スニーカーズエンスタッフ」が、「限定版スニーカー市場の世界的な衰退」を理由に破産申請した。
調査会社「サカーナ」のデータによると、2021年以降、米国におけるスニーカーの売上高はインフレ調整後で5.8%減少している。
リセールプラットフォーム「StockX」のマーチャンダイジング・ディレクター、ドリュー・ヘインズによると、これはスニーカー市場が正常に戻りつつあることを意味するという。
コロナ禍でスニーカー人気が急上昇したのは、人々が家に閉じ込められ、ワインや時計といったコレクターズアイテムをオンラインでチェックする時間ができたためだ。オフィスや学校が閉鎖され、人々はよりカジュアルな靴を求めるようになった。パンデミックはサプライチェーンにも混乱をもたらし、スニーカーの品薄と価格高騰を招いた。
ブランド側はコロナ以前から供給量を制限し、数量に限りがある限定版の販売によって特定のラインへの期待を高めてきた。しかし最近では、かつては希少だったコレクター御用達のモデルを再入荷するなど、大量生産に踏み切っていると、スニーカー収集に関する本の著者ディラン・ディートリックは指摘する。この戦略は売り上げを増加させる可能性がある一方、需要の減少や価格の押し下げにもつながっている。
関連記事〈【続きを読む】有名ブランドの製品と同じ工場で作られる偽造スニーカーのクオリティ〉につづきます。
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