( 283524 ) 2025/04/17 03:21:29 1 00 各党が提案する経済対策について、現金給付、消費税減税、商品券・マイナポイントの給付が主な案として議論されています。
与野党の主張では、与党・自民党は赤字国債を出さない範囲で経済対策を検討しているとし、野党・国民民主党は一時的に消費税を一律5%にするべきと主張しています。 |
( 283526 ) 2025/04/17 03:21:29 0 00 各経済対策の効果 各党の主張も比較
従来の物価高に”トランプ関税”の影響も加わり、国民生活が圧迫される中、経済対策の必要性が議論されています。 政府・与党内では現金を給付する案が一時浮上した一方、野党からは消費税を対象に”減税”を主張する声もでています。 さらには、商品券配布やマイナポイントを活用する案も出ています。 それぞれのメリットとデメリットは。各党の思惑が渦巻く経済対策を深掘りします。
現在表面化している経済対策とその効果
これまでに各党から出ている案の方針は、現金給付、消費減税、商品券・マイナポイントの給付に絞られます。それぞれの年間の経済的恩恵について、大人2人、子ども2人の4人暮らし世帯を想定した具体的な試算があります。 ●5万円現金給付:20万円 ●消費税一律5%:約14万2000円 ●食料品に限って消費税0%:約6万3000円 ●商品券(米・ガソリンなど)、マイナポイントは試算なし (総務省「家計調査」をベースにした税理士渋田貴正氏の試算)
各案のメリットとデメリット
それぞれの案の特徴はどのようなものでしょうか。 まず、消費税減税のメリットは、低所得者への効果が大きいことです。食料品の税率ゼロだと、生活必需品に対象を絞っているため低所得者への効果はさらに大きくなります。デメリットは、法改正が必要なため、時間がかかることです。実施されても来年などになるとみられます。 消費税を含む減税は、一時的なものか恒久的なものかによって効果が異なります。一時的なものの場合、家計は将来の増税を見据えて消費行動があまり活発化しない可能性もあります。 現金給付のメリットは、行政コストが小さいことです。一方で貯蓄に回りやすいことが欠点といえます。 商品券は、貯蓄できないので消費に回りやすい。使い道を限定できるので、狙った効果を期待できる側面もあります。一方で、行政コストの大きいことがデメリットです。
経済対策の費用
では、これらの政策を成し遂げるためにかかる費用はいくらなのでしょうか。これは財源の議論に直結します。
国民に一律5万円の現金給付をすると、財源は6兆円ほどかかるとされます。 食料品の消費税をゼロにすると、年間約4兆8000億円。 消費税を一律5%に下げると、年間約11兆~12兆円かかります。 日本の年間予算と比較しますと、日本の教育予算は5兆3000億円、防衛予算は7兆7000億円です。5万円の現金給付は教育予算、消費税一律5%だと防衛予算を超える規模の費用が必要ということになります。 消費税収26兆8000億円の約9割は社会保障に充てられていますが、仮に消費税を5%に下げると、11兆から12兆円の税収が減ってしまうことになります。
与野党の主張
各党のスタンスを比べてみます。 ●与党・自民党 森山幹事長は、「現金給付は効果を見極めたい。赤字国債を出さない範囲で経済対策を検討している」と話しました。 ●与党・公明党 斎藤代表は「緊急措置なら赤字国債を検討することもある」と発言。減税が実現するまでのつなぎとして、必要なら赤字国債を発行して現金給付を行うべきとの考えです。 ●野党・国民民主党 国民民主党は消費税を時限的に一律5%にするべきと主張しています。浜口政調会長は「財源は国債」と説明しています。 ●野党・日本維新の会 維新は食料品に限り消費税を2年間ゼロにする策を主張しています。 前原共同代表は財源について「日本が持っているドルは約172兆円」などと述べ、日本の外貨準備の活用などを主張しています。 ●野党・立憲民主党 立憲は党内に多様な意見があり、議員によって意見にばらつきがあります。 江田元代表代行は食料品の消費税率ゼロを主張。末松元復興大臣は消費税5%化を唱えています。 これらの意見に対し、枝野元代表は「減税ポピュリズムに走りたいなら別の党を作って。もっと責任のある話をしよう」とけん制しました。
与党側から現金給付案が浮上したとの報道が出た際、選挙対策ではないかとの批判がでました。 ことし7月に参議院選挙を控えるなか、各党の選挙への思惑も透けてみえますが、国民の生活支援と財政のバランスをどのようにとるのか、とるべき対策を冷静に見極めた議論が求められています。
|
![]() |