( 284294 )  2025/04/19 06:57:14  
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農林水産省は政府備蓄米の最初の放出分について、流通状況を発表した。

販売価格は通常のコメ価格より安かったが、全国的な値下がりには至っていない。

卸売業者に販売された玄米の価格は上乗せ分が少なく、流通経費の1/2程度だった。

また、備蓄米と通常のコメを混ぜて価格を下げることも可能だと述べられた。

流通価格の動向や今年のコメの価格推移についても報告された。

(要約)

( 284296 )  2025/04/19 06:57:14  
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 農林水産省は18日、政府備蓄米の1回目の放出分(約14万トン)について、最初の2週間(3月17~30日)分の流通状況を発表した。スーパーなど小売業者が、卸売業者から仕入れた価格(精米)は60キロ当たり税抜き3万4114円。5キロ当たりの税込み価格に換算すると約3070円相当だった。 

 

 全国のスーパーで3月31日~4月6日に販売されたコメ価格(5キロ当たり税込み4214円)より3割近く安かった。政府は備蓄米の放出を続けているが、まだ販売が一部の店舗にとどまっており、全国の販売価格の値下がりには至っていない。 

 

 農水省によると、最初の2週間で全体の2・9%に当たる4071トンが政府から集荷業者に引き渡され、このうち2761トンが13の卸売業者に販売された。 

 

 卸売業者への販売価格は、玄米60キロ当たり税抜き2万2402円。政府から集荷業者が買い受けた価格(税抜き2万1352円)より1050円高いが、上乗せ分は一般的な流通経費(約2000円)の半額程度になっているという。 

 

 卸売段階以降の流通状況の詳細は、13の卸売業者から精米の状態で、137の小売業者に426トンが販売され、中食・外食の8業者に35トン販売された。中食・外食に販売した60キロ当たりの税抜き価格は3万2920円だった。 

 

 江藤拓農相は18日の閣議後記者会見で「集荷業者が運送などの経費のみを上乗せし、利益を乗せていないことが数字の上でも明らかになった」と話した。一方、比較的割安の備蓄米と卸売業者が高値で仕入れ、在庫として抱える同じ銘柄のコメを混ぜて販売することで価格を下げることも可能だと指摘した。 

 

 農水省はコメの集荷業者と卸売業者が売買する際の価格を示す相対取引価格も発表した。今年3月までの2024年産米(主食用)の平均価格は全銘柄で、60キロ当たり税込み2万4500円で、比較可能な1990年以降で過去最高を更新した。ただ今年3月は前月比2%(609円)減の2万5876円となり、備蓄米の影響で下がった。【中津川甫】 

 

 

 
 

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