( 284974 )  2025/04/22 04:40:58  
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1958年に東京都立墨田産院で取り違えられたとされる江蔵智さん(67)が、都に生みの親の調査を求めた訴訟で、東京地裁は都に調査を命じた。

江蔵さん側は産院が適切な子供に引き渡す義務を果たしていないと主張し、都に調査や関係者への通知を求めていた。

一方、都は生みの親の特定に法的根拠がないとして反論していた。

(要約)

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東京地裁=東京都千代田区で、米田堅持撮影 

 

 1958年に東京都立墨田産院(88年に閉院)で新生児の時に取り違えられた江蔵智さん(67)が、都に生みの親の調査を求めた訴訟の判決で、東京地裁は21日、都に調査をするよう命じた。 

 

 訴状によると、江蔵さんは46歳だった2004年、体調不良でDNA型鑑定をしたところ、両親とは親子関係がないことが判明した。出生した墨田産院で取り違えられた可能性が高いと考えたが、産院は既に閉院し、運営主体の都は問い合わせに応じなかった。 

 

 江蔵さんは04年10月、都に損害賠償を求める訴訟を起こした。1、2審はいずれも産院での取り違えの事実を認め、都に計2000万円の賠償を命じた2審判決が06年10月に確定した。 

 

 しかし、その後も都が生みの親を捜すことに協力しなかったため、21年11月に都を相手に今回の訴訟を起こした。 

 

 江蔵さん側は、産院は出生した新生児を取り違えることなく、両親に引き渡す義務を負っているのに現在も果たしていないと主張。同じ時期に墨田産院で出生した人を都が調べ、その人や親に江蔵さんが連絡を取りたがっていることを知らせる文書を送ることを求めていた。 

 

 これに対して都側は、生みの親を特定する調査をしなければならない法的根拠はないと反論。「調査をすれば、取り違えとは無関係の人のプライバシー権や、取り違えられた第三者の権利が侵害される可能性がある」と主張していた。【安元久美子】 

 

 

 
 

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