( 285146 ) 2025/04/22 07:50:05 0 00 21日に88歳で死去したローマ教皇フランシスコは、世界人口の約2割に上るカトリック信者の頂点に立つ存在だった。
サンピエトロ大聖堂(2025年4月21日)=ロイター
教皇フランシスコは2013年3月、当時の教皇ベネディクト16世が生前退位したことを受けて就任した。アルゼンチンの首都ブエノスアイレス出身で、欧州以外からの教皇就任は約1300年ぶりだった。
イタリア系移民の中流階級の家庭で育ち、ブエノスアイレスでは、地下鉄を使っていた。大のサッカーファンで、庶民的な人柄が人気を集めた。
ローマ教皇フランシスコ=AP
ローマ教皇は信仰に関して、広範な決定権を持ち、枢機卿と呼ばれる教皇に次ぐ地位の聖職者や、教会の最高役職に相当する司教の任命権を持つ。バチカン(ローマ教皇庁)を統括し、行政の人事権を持つ。
主な仕事として、各種宗教行事への参加、聖職者の会議への出席、世界中からの巡礼者との会見、海外での布教活動などがある。毎週日曜正午には、カトリックの総本山、バチカンのサンピエトロ大聖堂の広場に集まる信者の前に現れ、「お告げの祈り」を唱える。カトリック教会における法的な性格を持つ「教皇自発教令」を出したり、信仰の指針となる文書を作って教会に送ったりする仕事もある。
教皇選出にあたっては、ミケランジェロの「最後の審判」が描かれたシスティナ礼拝堂の密室で、「コンクラーベ」と呼ばれる選挙が行われる。コンクラーベの由来はラテン語で、「鍵と共に」という意味だ。
コンクラーベで黒い煙が上がったシスティナ礼拝堂の煙突(2013年3月)=AP
無記名の秘密投票で、出席者の3分の2の票を得る者が出るまで繰り返す。投開票の結果は、礼拝堂の煙突から煙が上がり、その色が白なら「教皇は決定」、黒なら「未決定」という形で公にされる。
教皇は規定上、男性カトリック教徒なら誰でもなれるが、14世紀以降は枢機卿から選ばれている。
(2019年11月23日付朝刊「基礎からわかるローマ教皇」を再編集しました)
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