( 286199 )  2025/04/26 06:18:25  
00

日本国内でも拡大していたK-POPブームが変調を迎えている兆しを見せている。

コロナ禍以降、K-POP人気が高まってきたが、最近になって人気の低下を感じる声もあがっている。

ファンの間では、新たにデビューするグループが増えすぎたことや、推し活の過剰さ、ライブの希少性の減少などが課題となっており、イベントでも空席が目立つようになっているという声もある。

一部のファンからは、「これ以上お金はかけられない」という考えも広がっており、ブームの暗雲も見え隠れしている。

(要約)

( 286201 )  2025/04/26 06:18:25  
00

日本のK-POPブームに変調の兆しも(写真:イメージマート) 

 

 コロナ禍以降、日本国内でも人気が続いてきたK-POPブーム。ところが、ライブに足を運んでいるK-POPファンからは、「今年に入ってから人気にかげりが出てきた」という声も聞こえてくる。いったい、どういうことか。ファンの声からK-POPブーム変調の兆しを探った。 

 

 都内のエンタメ系企業に勤務するK-POPファンの女性・Aさん(30代)は、15年ほど、複数のK-POPグループを追いかけてきた。 

 

「少女時代やBIGBANGなどの時代からK-POPを好きな人がいる一方で、コロナ禍以降でここまで大きなブームにまで成長してきたと思います。とくにそれまでK-POPに親しみがなかった人たちの人気が加速するきっかけとなったのは、BTSの大ブレイクと、それ以降に躍進した第4世代の存在だったと思います」 

 

 第4世代とは主に2000年代生まれのメンバーで構成されたグループで、2019年頃からデビュー。Stray Kids、ITZY、aespa、ENHYPEN、TOMORROW X TOGETHER、NewJeans、LE SSERAFIM、ATEEZといったグループがいる。NHK『紅白歌合戦』に出場経験のあるグループも多く、日本での人気は高い。またコロナ禍が収束してから、2023年以降にデビューしたZEROBASEONEやRIIZE、BOYNEXTDOORといった第5世代も若い世代を中心に人気を博している。 

 

「ただ、私の周りのK-POPファンたちのあいだでは、『グループが増えすぎ』という問題も話題に上がるようになりました。とにかく事務所が新グループを濫発してしまい、推し活ブームも相まって、ファンは次々とライトに推しを作ることになる。あちこちに推しがいるので、観るコンテンツも増え続ける。そうすると、相対的に一人ひとりのアイドルにかける時間が短くなっている気がするんです。『お金をかけずに、SNSだけで良いや』となってしまうのでは……」(Aさん) 

 

 

 前述した第4世代、第5世代のグループは、いずれも日本国内で単独コンサートができるレベルの人気を誇る。 

 

 しかし、そのようなグループが複数組出演するイベントでも空席が目立つようになったと指摘するのは、BTSからK-POPにハマり、現在では複数のグループを並行して応援している、銀行員の女性・Bさん(30代)だ。 

 

「コロナ禍のオンラインコンサートがあり、その後、会場で声出しライブができるようになって以降、K-POPのイベントは大盛況でした。2022、2023年頃なんて、空席はまったくなかったんですよ。たった数曲でもいいから推しのグループを見たい、という新規のファンが多かった。来日してコンサートをしてくれる機会自体が貴重だったので、3曲、5曲くらいしか歌わなくても、2万円程度のチケットを買うファンが殺到していました」(Bさん)。 

 

 そんな状況に変化を感じるようになったのは、今年に入ってからだという。 

 

「今年に入ってから驚いたのが、ドームレベルでチケットが完売するような人気グループが複数出演するイベントでも、空席が目立つようになったこと。この間行った東京ドームのイベントなんて、ガラガラでびっくりしましたよ。こんなに空席がある東京ドームは初めてだった。 

 

 自分の推しのパフォーマンスが終わったら帰ってしまうファンもいて、最後なんて『出てくるアイドルかわいそう』とすら思いました。そもそも、アイドルと会える機会が増えすぎたから、希少性がなくなっていると思う。数年前は日本でのライブ自体が貴重だったけど、今は握手会やサイン会、イベントなどで何度も会えるので、『たった数曲のために1万円以上払えない』と思うファンがいるのも理解できます。そのお金を払うなら、単独ライブにお金を払いたいというのが、当然のコスパ感覚ですよね」(Bさん) 

 

 後編記事《「これ以上お金はかけられない」K-POPファン卒業を決意する人たちが続々 「日本人ファンは舐められている」「事務所への不信感」…物価高も重なってブーム拡大に暗雲も》では、ここ最近K-POPアイドルのファンを卒業したという人たちに、それぞれの事情を尋ねた。 

 

 

 
 

IMAGE