( 286479 )  2025/04/27 06:05:05  
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BTSの大成功を受けて、日本でもK-POPにハマり、推し活を楽しむファンが増えたが、最近ではブームが変調し始めている。

推し活を卒業した人たちの事情を紹介。

一つの理由は、K-POPの事務所に対する不信感や扱いに対する違和感。

ファン活動にかかる費用が高いことや、日本人ファンに対する扱いに感じる不満も影響している。

物価高も加わり、支出が限界に達していると感じる人も増えている。

(要約)

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「K-POPの推し活を卒業した」人たちの事情とは(写真:イメージマート) 

 

 BTSの世界的な大ヒット以降、日本国内でもK-POPにハマり、推し活に励むファンたちが激増した。ところが、ここ最近では空前のブームに変調の兆しが見えるという。今年に入って人気グループが複数出演するライブ会場でも空席が目立つようになっている現状を伝えた前編記事に続き、本記事では「K-POPの推し活を卒業した」という当事者の声を紹介する。 

 

 都内の不動産会社に勤務する女性・Aさん(20代)は、今年から社会人になったことをきっかけに「K-POPから離れる決意をした」と語る。 

 

「大学生になった頃、コロナ禍でオンライン授業を受ける日々でした。そんな中で出会ったのが、『TOMORROW X TOGETHER』。大学時代のすべてを彼らに捧げたし、アルバイトで稼いだお金も使える限り、CD、チケット、グッズに使ってきました。来日するコンサートはすべて足を運んで、自作のグッズを作ったりもして、とにかく夢中でした。 

 

 でも昨年、大学4年生になったときにふと考えたんです。『私いつまで他人にお金を使う人生なんだろう……』って。すぐに社会人になるのに貯金はゼロ。推しは大好きだけど、将来結婚したいし、子どもも2人以上は欲しい。そしたら、真剣に婚活もしたい。そうなってくるとK-POPに使えるお金と時間ってないんじゃないかって思って……。でもファンをやめる勇気がなかったから、『大学卒業式の日に、ファンも卒業する!』って友達に宣言したんです」(Aさん) 

 

 社会人になるのを機にK-POPファンを卒業したAさんだが、K-POPシーンが変化していることもファンをやめる原因になったと語る。 

 

「やっぱり、K-POPの事務所への不信感も熱が冷めたきっかけの一つですね。『TOMORROW X TOGETHER』は、HYBEに所属していて、同じ事務所で『NewJeans』の問題があったじゃないですか。それまでも『ファンを大事にしてない、金ヅルだと思われてるんじゃないか』と思うことはあったけど、『所属アーティストを大事にしないのは許せないな』って。そういう違和感も、ファンをやめる理由になりましたね」(同前) 

 

 

 Aさん以外にも、アイドルの所属事務所や運営側に対する違和感を覚え、ファンを辞めたという人は少なくない。都内の飲食店で勤務している女性・Bさん(20代)は、こう語る。 

 

「日本人のK-POPファンなら一度は感じたことがあると思いますが、K-POPを応援していると『日本人ファンは舐められてるんじゃないか?』と感じる機会があります。これは繊細な問題ではありますが、たとえば、世界地図が描かれたグッズに日本列島だけ記載されていなかったり、日本人メンバーだけがまったく歌割りを与えられず、カメラに抜かれないこともある。広告媒体でも最も小さく写されたり……。事例をあげればキリがないですよ。 

 

 その割に、日本人ファンは熱心にお金を使うので、市場としては重視されている。だから日本語バージョンのCDを出すアイドルがたくさんいるんです。単独コンサートだけでなく、イベントのチケットも価格設定はかなり高いです。また、メンバーと会える対面イベントも日本では多数開催されるので、その応募券のためにCDを大量に買わされたりする」(Bさん) 

 

 くわえてBさんは、物価高の影響なども相まって、推し活に使えるお金が枯渇してきたと続ける。 

 

「とにかく、K-POPって自制しない限り、無限にお金が飛んでいくんですよ。アイドルグループ自体も増えているし、グッズや動画コンテンツなど、あまりにも供給量が多すぎて、数年するとお金も時間も、体力も、すべて枯渇しちゃう。 

 

 ちょうどコロナ禍でK-POPにハマった若いファン層が、今その限界に来ているんじゃないでしょうか。私の周りでも、『もうお金払ない』『イベント1回行かなかったら、お米が15キロ買える』と言っている友人もいますし(笑)。こんな物価高で生活も苦しいと、そろそろファンを続けるのも限界ですよね」(Bさん) 

 

 コロナ禍以降、日本でも空前のブームに発展したK-POPだが、ファンのなかには「これ以上お金は使えない」と限界を感じて、卒業を決意する人たちもいるようだ。物価高も相まってK-POP離れするファンも出てきてブーム拡大に暗雲も漂ってくるが、はたして今後はどうなるか──。 

 

■前編記事:《日本のK-POPブームに変調の兆し 人気グループ多数出演のライブでも空席が目立ち…ファンからは「グループ増えすぎ」「来日しすぎて希少性がなくなった」の声も》から読む 

 

 

 
 

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