( 289789 )  2025/05/10 04:07:50  
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立川市立第三小学校で起きた暴行事件では、小学2年生の女児同士のトラブルがきっかけで、母親の知人2人が教室に乱入し暴れた。

男性2人は警察に逮捕されたが、学校や警察は男性の氏名を非公表にしている。

事件の後、学校のセキュリティ体制や対応について詳細な検証が求められている。

被害者である女児たちや他の児童にはカウンセリングが提供される予定だ。

(要約)

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暴行事件が発生した立川市立第三小学校 

 

 ゴールディンウィーク明けの小学校であってはならない暴力事件が発生した。小学2年生の女児同士のトラブルに、保護者の知人2人が“加勢”。授業中の教室に乱入したばかりか、児童がいる前で教員に暴力を振るったのだ。その時、子供たちを襲った恐怖とはー――。 

 

 *** 

 

 事件は5月8日午前11時前、東京都立川市の市立第三小学校で発生した。同校に女児を通わせている母親の知人である40代と20代の男2人が校内に乱入。教職員5名に顔面打撲などの怪我を負わせたという前代未聞の暴行事件である。駆けつけた警官によって2人の男は現行犯逮捕されたが、警視庁は男2人の氏名を「女児の特定につながる恐れがある」として発表していない。 

 

 きっかけは、2年1組に在籍するA子さんとB子さんのトラブルだった。 

 

「子供同士の争いなので真相は不明ですが、A子さんの母親は、自分の子供がB子さんからいじめられている、と学校に訴え出ていたようだ。この日、9時15分から母親は担任の男性教諭と校内で1時間程度面談。母親は、担任から期待していたような対応を得られなかったため、知人男性2人に相談したのです」(学校関係者) 

 

 担任との面談後、一度校外に出た母親は、しばらくすると男2人を連れて学校に戻ってきた。そして、2年1組の教室に直行した。 

 

「男2人は『B子はいるか?』とフルネームでB子さんの名前を叫びながら、教室に入ってきた。一人は酒瓶を手に持っていて、酒を飲んでいたようだ」(同) 

 

 担任は2人に教室から出ていくよう求めたが、2人は激しく抵抗。椅子で殴りかかったり、持ってきた酒瓶を割るなどして暴れた。 

 

「担任は子供達に『逃げて』と叫んだため、子供たちは一斉に教室から飛び出して体育館に逃げた。職員室の前を走って避難する子供達の様子を見て、副校長や他の教職員3名が教室に急行。暴れる男2人を職員室の方へ誘導しながら取り押さえ、駆けつけた警察官に引き渡しました」(同) 

 

 偶然にも同校ではこの日11時から「避難訓練」が行われる予定だったという。 

 

「まさに、その直前に『本番』がやってきてしまったのです。暴れる男2人を取り押さえようとして、5人の教職員が軽い怪我を負い、窓ガラスが破られるなどの被害が出ました」(同) 

 

 なぜこのような乱入を学校側は許してしまったのか。立川市教育委員会事務局教育部指導課に話を聞いた。 

 

――A子さんの母親はいじめを訴えていたようだが、そのような実態があったと学校側でも把握しているのか。 

 

「具体的な相談内容についてはまだ入ってきておらず、把握していないところです。把握できたとしても、個人的な内容になるのでお答えできません」 

 

 

――母親は今回の問題で学校に複数回相談していたのか。 

 

「今回の面談は、2人の女児の間で『前日に起きた出来事』についての相談だったと聞いております。なので、初めての相談だったというのがこちらの認識です。前日にあった出来事の詳細についてはお答えできません」 

 

――事件後、双方の保護者への聞き取りは進んでいるのか。双方の保護者は今回の事件についてどう話しているのか。 

 

「保護者への聞き取りについては、こちらでは把握していません」 

 

――担任の対応については問題あったと考えているか。 

 

「その辺も詳しい状況はわかっていないのでお答えしかねるところです。ただ、侵入してきた男性2人に対しては、相手を刺激しないよう、子供達を守るために適切な行動を取ったと考えています」 

 

――侵入者は2人とも酔っ払っていたのか。 

 

「報道でそういう内容が出ているのは承知していますが、こちらでは直接確認取っていないので酔っていたかどうかはよくわかりません。ただ、教室に割れた酒瓶があったのは事実です」 

 

――担任の先生は椅子で殴られたという話も出ているが。 

 

「こちらとしてはそこまでの内容は聞いていません。ただ被害にあった担任は軽傷で、今日も出勤できている状況にはあります」 

 

――なぜ部外者2人を学校に入れてしまったのか。A子さんの母親は男2人と一緒に学校に入ってきたということか。 

 

「母親がどのように2人を連れて学校に戻ってきたのか、詳しい状況についてはわかっていません。ただ、一部の門扉の施錠は完全にされておらず、門扉から玄関までは自由に入ってこられる状況にあったことは事実です。小学校には保護者だけでなく業者など多数の訪問があり、いちいち訪問者が来るたび、門扉まで行って施錠を解くような人員の体制が取れないためにこのような運用になっておりますが、今後、他の市内の小学校を含めて訪問者への対応に問題はなかったかについては検証していく予定です」 

 

――A子さん、B子さん2人の現在の状況は?  

 

「2人とも本日、欠席している状況で、学校としては2人からまだ聞き取りができていない状況です。他の児童を含めてお子さんたちが心理的にショックを受けている状態なので、今後、カウンセラーを派遣していくなどの対応をしていく予定です」 

 

――当日、避難訓練があったのはただの偶然?  

 

「はい。不審者侵入、地震、火災などに備えて月1回行われている訓練のどれかが行われる予定でしたが、どの想定だったかについては把握していません。結局、訓練は中止になりました」 

 

 幸いにも大事に至らなかったとはいえ、同じようなことが起きたらと思うとゾッとする事件だ。学校のセキュリティ体制に問題はなかったのか、徹底した検証が求められる。 

 

デイリー新潮編集部 

 

新潮社 

 

 

 
 

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