( 289881 ) 2025/05/10 05:50:04 0 00 レタス「73円は奇跡」 連休明けて野菜の流通増加 値下がりに生産者は「苦しい」
物価高のなか、あらゆる野菜が異例の安さです。なかでもレタスは1玉73円と、信じられない価格になっています。安いだけでなく巨大化して二重でお得な状態です。産地で何が起きているのでしょうか?
東京都内のスーパー「アキダイ」では、1つずつではなく袋でまとめて販売。ナスは1キロ、1袋に7本ほど入って216円。ピーマンも5個ほどで213円。売り方も変わっています。
大きなキャベツは1玉138円。長〜いキュウリは1本59円。あらゆる野菜が安くなっています。
買い物客(50代) 「思ったより値段が安かったので、こんなに買うつもりはなかったけど、ついつい買っちゃいました」
安さの理由は、シンプルです。
アキダイ 秋葉弘道社長 「ゴールデンウィークで市場が3日間くらい休みだったので、ゴールデンウィークが明けてから、流通量が多くなって非常に値段も安くなった」
この道40年の秋葉社長は、市場の休みと好天を見込んで、連休明けの7日から大量に仕入れたため、さらなる安値を実現しています。
なかでもお得な野菜はレタスです。1キロあたりの小売価格は去年12月に1000円近くまで高騰しましたが、今月には441円と6割近く値下がりしました。
8日は大玉のレタスが今年最安値の1玉73円で売られていました。
秋葉社長 「これはもう奇跡です。この奇跡の瞬間を大切に、どんどん食べてもらいたいと思います」
一大産地の群馬県沼田市に向かってみると、畑には出荷の最盛期を迎えたレタスが一面に広がっています。
秋以降、悪天候が続いていましたが、先月から好天に恵まれ、気温が上昇すると、レタスもぐんぐん成長。今では1日12万玉を収穫し、主に首都圏に出荷しています。しかし、問題が…。
赤城高原朝穫組合 見城美一組合長 「こういった感じに(葉が)バサッと広がっているのは肥大しています」 「4月の下旬くらいから気温が高いことが続いているので、どんどん生育が良くなっているという状況です」
天気に恵まれすぎて、想定外の大きさになってしまったのです。通常サイズのものと比較してみると、通常サイズは400グラムですが、巨大化したものは550グラム。4割増しです。
断面を見ると、葉が何重にもなり、より大きさの違いが分かります。大きくなっても味に変わりはないということですが、出荷用の段ボールに入らず規格外になってしまいます。多くは加工用として出荷され、カット野菜になるといいます。
レタスが70円ほどにしかならない現状への思いは複雑です。
見城組合長 「苦しいです。冗談抜きで苦しいですね。今1玉作るのに自分で肥料や燃料費を全部計算すると、だいたい1個70円くらいかかっている。良いものを出荷してみなさんに届けたい気持ちはあるけど、これほど量がいっぱい出ると価格も下がるので、農家としては痛いとこです。いっぱい食べてもらって、いっぱい消費してもらって、いっぱい我々に還元してほしいです」
(「グッド!モーニング」2025年5月9日放送分より)
テレビ朝日
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