( 290134 )  2025/05/11 05:38:42  
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パナソニックHDの楠見社長が、同社が1万人のリストラに踏み切った理由を、劣る収益力の改善が見込めず、構造改革が必要だと説明した。

今後は不採算事業の撤退や拠点の統廃合も進める方針で、経営陣の決断力が求められるとした。

楠見社長は、「10年、20年後に持続的に成長できないため」として、雇用削減に着手する決断をしたと述べた。

楠見社長は、パナソニックHDが持ち株会社制に移行して以降、達成できなかった目標を挙げ、構造改革を進める決意を示している。

一部の余剰人員や固定費の改善が必要だとし、競合他社との差を埋めるために努力する考えを示した。

(要約)

( 290136 )  2025/05/11 05:38:42  
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構造改革について説明するパナソニックHDの楠見社長(9日、大阪府門真市で) 

 

 パナソニックホールディングス(HD)が1万人規模のリストラに踏み切ったのは、抜本的な構造改革を実施しなければ、同業他社に比べて劣る収益力の改善が見込めないと判断したためだ。手始めに人員の効率化を進め、利益を圧迫している固定費の削減を図る。今後、不採算事業の撤退や拠点の統廃合も進める方針だが、どこまで大胆にメスを入れるか、経営陣の覚悟が試される。(杉山正樹、坂下結子) 

 

 「雇用に手を着けるのは忸怩(じくじ)たる思いで、申し訳なく思っている。ここで経営基盤を変えなければ、10年、20年後に持続的に成長できない」。楠見雄規社長は、9日のオンライン決算説明会で、黒字経営が続く中で人員削減に踏み切る理由を、こう説明した。 

 

 同社は、2022年4月に持ち株会社制に移行した。事業会社に経営の自立性を持たせることで、成長を加速させることを狙ったが、「累積営業利益1・5兆円」など25年3月期までの達成を掲げた複数の目標が未達となった。今年2月に楠見社長が、人員削減も含め、聖域を設けず構造改革を断行することを打ち出していた。 

 

 同社では、「企業は社会の公器」を経営理念とし、従業員の雇用を重視してきた。一方、旧三洋電機や旧松下電工を買収したこともあり、間接部門を中心に余剰人員が課題となっていた。 

 

 楠見社長は「同じ業界の他社に比べ、(人件費や広告費からなる)販売管理費の比率が高く、低収益だ。固定費構造に大きくメスを入れないと再び成長に転じることはできない」と述べた。 

 

 日立製作所とソニーグループの営業利益率はともに10%程度だが、パナソニックHDの25年3月期の営業利益率は5%と大きく差がついている。 

 

 同社では、26年3月期を構造改革に集中する1年と位置付ける。人員削減に加え、赤字事業の撤退や拠点の統廃合を進める。「グローバルで非常に厳しい構造」(楠見社長)とするテレビ事業の行方が注目される。楠見社長は、日本や台湾では必要な商材だとしたうえで、「(中国の生産委託先)パートナーとの協業の深化も含め検討しており、必要性を認識しながら改革を進めている」と述べた。 

 

 

 
 

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