( 290166 )  2025/05/11 06:15:02  
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バブル経済崩壊の影響で国内の企業が採用枠を縮小し、賃金面など労働条件が劣る職場を選んだケースもあったとされる就職氷河期世代。この世代が過ごしてきた「失われた30年」で、日本の賃金は諸外国からも大きく差を付けられてきた。 

 

第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏は、日本の労働市場の悪しき側面として「就職時の条件が悪いとそのまま格差が固定化し、生涯収入でも大きな差がつく」ことを挙げる。熊野氏は賃上げ機運を氷河期世代に波及させるため、「労働市場の流動性を高める必要がある」と指摘する。 

 

熊野氏によると、大量採用されたバブル世代が定年を迎えるなど第一線から退きつつある一方で、氷河期に採用を絞った影響で、今後の日本の労働市場では中堅の不足が大きな課題となるという。熊野氏は「各企業は優秀な中堅に良い条件を提示して、外から採用する必要が出てくる」と指摘。労働市場の流動性が高まれば、氷河期世代にとってもプラスに働くとしている。 

 

 

 
 

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