( 290743 )  2025/05/13 07:30:50  
00

ビクトリア州では山火事で生存が困難になったコアラ約1100匹がヘリコプターから射殺された。

州当局は「安楽死」と主張しているが、動物保護団体は「残酷な手法」として調査を求めている。

被災したコアラは焼けたり餌不足になったりし、州当局は苦痛を和らげるためとして射殺を決定した。

しかし、動物保護団体は決定過程が不透明で残酷だとして調査を求めており、コアラの状態を正確に見極めることができたかなど疑問が呈されている。

州内には約46万匹のコアラが生息しているが、森林伐採などで生育環境が厳しくなっていると指摘されている。

(要約)

( 290745 )  2025/05/13 07:30:50  
00

オーストラリア東部ブリスベン中心部近くで木に登るコアラの親子=2024年12月(AFP時事) 

 

 【シドニー時事】オーストラリア南東部のビクトリア州当局は3~4月に、山火事で生存が難しくなった野生のコアラ約1100匹をヘリコプターから射殺した。 

 

 不要な苦痛を和らげるための「安楽死」だと主張している。これに対し、動物保護団体などは「残酷な手法」と批判し、適切だったかどうか調査を求めている。 

 

 同州のブジビム国立公園では3月上旬に山火事が起き、約2200ヘクタールが焼失。被災域の多くのコアラがやけどを負ったり、餌のユーカリ不足で飢えたりした。州当局は「生存の可能性は低く、苦痛を和らげる安楽死が必要だ」と判断し、4月下旬まで射殺を続けた。ヘリの使用は「山が険しく、徒歩移動が難しかったため」と説明している。 

 

 一方、複数の動物保護団体は「残忍な方法で、決定過程が不透明」として第三者委員会による調査を要求。これに名を連ねた団体「動物のための人道世界」は「射殺の規模や正当性に深刻な懸念がある」と指摘する。また、動物保護活動家のクレア・スミス氏は民放9ニュースで「ヘリからコアラの状態を正確に見極められるのか」と疑問を呈し、「二度と繰り返してはならない」と訴えた。 

 

 同州当局によると、州内のコアラ生息数は約46万匹と推定されている。同州では絶滅危惧種に指定されていないが、この数十年間に森林伐採が進み、生育環境が厳しくなったと専門家らは指摘している。  

 

 

 
 

IMAGE