( 290898 )  2025/05/14 05:42:11  
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スーパーでのコメの平均価格は、前年比で高値が続いており、7月までさらに高くなる見通しもある。

農林水産省による調査では、高級銘柄米の売れ行きが平均価格の上昇要因とされている。

国産米や銘柄米に重きを置く消費者が多いことも影響している。

コメ価格は備蓄米の放出や新米出荷のタイミングによって変動し、価格下落要因や政府の対応策も模索されている。

(要約)

( 290900 )  2025/05/14 05:42:11  
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日テレNEWS NNN 

 

スーパーでのコメの平均価格は、18週ぶりに値下がりしました。ただ、前年比では高値が続いています。「7月までは今より高くなる」との見方が強まっていることがわかる調査結果もあります。今後の見通しや、備蓄米をめぐって政府が取るべき対応を考えます。 

 

そこで今回の 

 

、「コメ 今後も高いまま?」をテーマに解説します。 

 

日テレNEWS NNN 

 

菅原薫・日本テレビ解説委員 

「備蓄米が放出されて、本当にコメは安くなるのでしょうか。疑いの目を向けたくなるほど高値が続いています」 

 

「農林水産省が毎週発表している全国約1000店のスーパーで販売されているコメの平均価格です。4月21日~27日の1週間の平均では5kgあたり税込み4233円で、17週連続値上がりし、史上最高値を更新していました(※)」 

 

日テレNEWS NNN 

 

菅原解説委員 

「最高値を更新し続けていた要因について、農水省によると、新潟県産のこしひかりなど高い銘柄米もいつもより売れていることも平均の値段を上げている要因なのではないか、とのことです」 

 

鈴江アナウンサー 

「高くても売れているということなんですね」 

 

菅原解説委員 

「備蓄米だけが売れているならば価格は下がっていくはずですが、高い銘柄米も売れている状況が合わさって価格が上がっているのではないか、といいます」 

 

「実際に、日本生協連が3月に行ったアンケートで、お米を買うときに重視することについて尋ねたところ、一番多かったのが『国産米である』(77.8%)、こしひかりなどの『銘柄』(40.5%)、2kgや5kgとった『量』(34.3%)でした。皆さんはどうですか?」 

 

森圭介アナウンサー 

「『これ』と一回決めたらリピート買いしてしまうので、『銘柄』が入ってくるのはよくわかります」 

 

斎藤佑樹キャスター 

「お米は日本のものという勝手なイメージがあるので、国産以外のものを買う選択肢がない感じですね」 

 

日テレNEWS NNN 

 

菅原解説委員 

「今後、コメの価格はどうなっていくのか。コメ業者の見通しが出てきました。全国180の生産者や卸売業者などを対象にした調査があります」 

 

「最新の4月の調査によると、7月までの3か月のコメの価格の見通しについて『今より高くなる』という見方が強まっています。100に近づくほど価格が高くなるという見方が強いことを示す指数で、4月は59と前月より4ポイント上昇しています」 

 

「高くなると判断した要因として一番多かったのは『米穀の調達状況』(42%)。卸売業者や小売店が注文通りに仕入れられていなかったり、提示された価格が高かったりすることが不安要素のようです」 

 

「次いで『国内の在庫水準』(31%)。自分たちや取引相手の在庫の量に不安があるということです」 

 

鈴江アナウンサー 

「在庫の量に不安というのは、品薄状態なのか、品薄になるのではないかという不安があるということですか?」 

 

菅原解説委員 

「まさに、そういうことのようです。夏にかけてコメが品薄になることへの不安が業者間にあるのではないか、という見方もあるそうです」 

 

 

日テレNEWS NNN 

 

菅原解説委員 

「新米の季節は地域によって少し差はあるかもしれませんが、9月頃からですよね。コメの卸売業者の全国団体である全国米穀販売事業共済協同組合の西村裕二部長に聞きました」 

 

西村部長 

「卸売業者としては今の時期にどんどん出してしまうと、一番コメの在庫が少なくなる7月8月に出すコメがなくなってしまう恐れがある。それを避けるために今の時期から出すのを抑えている業者もいるのではないか」 

 

日テレNEWS NNN 

 

瀧口麻衣アナウンサー 

「備蓄米が徐々に放出されていますよね。コメの流通を安定させるために放出していると思いますが、どうにかならないんでしょうか?」 

 

菅原解説委員 

「皆さんそう思っているのでしょうが、十分にはなかなか流通していません。なぜなのか、流通経済研究所の折笠俊輔主席研究員に聞きました。備蓄米が小売店に行き届くまでに、とにかくやることが多いということです」 

 

「例えば、卸売業者はまずスーパーと交渉して、新たに商品設定をします。これは、どのコメに備蓄米を交ぜてブレンド米を作るか、などです」 

 

「新たな商品になるのでパッケージをデザイン・印刷する手間もあります。そして、精米工場の空きを押さえ、精米の時期を調整するなどとやっていると、結局備蓄米を引き渡されても商品として出せるまで2~3週間くらいはかかってしまうということです」 

 

森アナウンサー 

「そもそも備蓄米を放出する時にこれくらい(手間や時間が)かかるのはわかっていたわけじゃないですか。もうちょっとスピーディーにどうにかならなかったのかなという気もします」 

 

斎藤キャスター 

「これだけ工程がいっぱいあると、(あまり手をかけず)『そのままでいいよ』と思いますけど…」 

 

森アナウンサー 

「パッケージは本当にシンプルでいいです、という人もいるかもしれませんけどね」 

 

菅原解説委員 

「折笠主席研究員によると、気になる今後の価格は、備蓄米が流通すれば価格は下がります。一方で、新米が流通し始める9月頃までは一番コメが少なくなるタイミングなので、逆に言うと備蓄米が流通しない限り、新米までは価格が下がる要素がないといいます」 

 

 

日テレNEWS NNN 

 

菅原解説委員 

「価格について、日本総合研究所の三輪泰史チーフスペシャリストにも聞きました」 

 

「三輪さんによると、備蓄米が入ってくることで5月下旬~6月上旬には100円~200円ほどの値下がりはあるかもしれないが、このままのペースだと期待される5kg3000円台半ばは難しいのではないか、新米が出ても4200円くらいではないか、と話していました」 

 

森アナウンサー 

「去年の秋、『新米が出たら落ち着く』と言われていましたよね?」 

 

菅原解説委員 

「では、コメの価格を下げるためにはどうしたらいいのか。三輪さんはまず、備蓄米放出のペースを緩めないこと、そして入札の参加要件を緩めることを挙げています」 

 

「今は大規模な集荷業者に限定している入札の参加業者を中小の卸売事業者まで拡大して、すぐに市場に流せる人を増やしましょうということです」 

 

「今は例えばJA全農から卸売業者へというステップがありますが、それをなるべく少なくして、色々な卸売業者が参加できるようにしてしまおうということです」 

 

「そして、売り渡してから1年以内に買い戻すとしている期限について、農水省は柔軟に検討するとしていますが、これの延長も三輪さんは挙げています」 

 

鈴江アナウンサー 

「流通で何がネックになっているのかしっかり洗い出してもらいたいですね」 

 

菅原解説委員 

「三輪さんによると、入札要件の緩和などすぐに手を打てば7月中には3500円程度までの値下がりも見込めるということです。政府には早急な対応が求められています」 

 

※その後、農水省から4月28日~5月4日のコメの平均価格が発表されました。前の週より19円値下がりし、5kgあたり4214円となりました。値下がりは18週ぶりです。 

 

(2025年5月12日午後4時半ごろ放送 news every.「 

 

」より) 

 

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