( 291399 )  2025/05/16 05:19:14  
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令和時代において、大企業でもリストラの対象が赤字から黒字企業へ変わってきている。

企業側は将来の持続的成長のためや業績改善のために、構造改革や人員削減を行っている。

リストラは黒字企業でも行われ、特に若年層や短期間働いている従業員も対象になっている傾向が強まっている。

一方で、人手不足に悩む中小企業が、長期的な視点で雇用を守り続けることで、社員の安心感や成長、企業の価値向上などのメリットを確認している。

今後もリストラのあり方や影響について注目が集まっている。

(要約)

( 291401 )  2025/05/16 05:19:14  
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黒字なのになぜ?若年層も対象に 令和のリストラ新常識 

 

 今、大企業でリストラが相次いでいます。これまでは赤字企業が大半でしたが、令和では人員削減の主流が赤字から黒字企業に。一体なぜなのでしょうか。 

 

元保険会社勤務 60代 

「リストラはある程度はしないと、企業の業績に今後影響してくる」 

 

 かつて昭和や平成に繰り返されてきた大規模リストラ。 

 

 令和の今、これまでとは違った大手企業のリストラが相次いでいます。 

 

 パナソニックグループは、今年度中に従業員の約5%にあたる1万人規模の人員を削減すると発表しました。 

 

 国内外それぞれ5000人規模を想定し、早期退職も募集します。 

 

パナソニックHD 楠見雄規社長 

「私は雇用に手を付けることは本当にじくじたる思い」 

 

 黒字経営が続くなかで、なぜ大規模リストラに踏み切るのでしょうか。 

 

楠見社長 

「ここで、この会社の経営基盤を変えなければ、10年後20年後にわたってこの会社を持続的に成長させていくことはできない」 

 

 またロイター通信によると、業績が好調なアメリカ・マイクロソフトはAI事業の拡大に備え、世界中のあらゆる地域で大規模な人員削減を行います。従業員の3%弱にあたる約6000人が対象です。 

 

 街の人に話を聞きました。 

 

鉄道業界 40代 

「(Q.企業が『黒字でもリストラ』。どう感じる?)黒字ならする必要がない」 

「(Q.リストラと聞くと?)暗いイメージ」 

 

飲食業界 40代 

「(Q.黒字でもリストラという流れについて)どうなんですかね。逆に経験ある人や知識の豊富な人を逃すことにならないのかな」 

 

 東京商工リサーチの調査では、2024年に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は57社で、前年から約4割増加しました。 

 

 そのうち黒字の企業は約6割を占めています。 

 

東京商工リサーチ 情報部 本間浩介さん 

「従来の日本企業は業績不振に伴う構造改革やリストラがメインだったが、2024年に入ると経営不振というよりも、黒字の中で構造改革に踏み切る企業が増えてきた」 

 

 調査では、リーマンショック後の2009年に早期希望退職が2万人以上にも及び、過去最高を記録。2024年は1万人を超えました。 

 

本間さん 

「(リストラの)対象年齢も30代の若い世代や、勤続年数が短い従業員にまで広がっているのが調査で明らかに。今、人手不足と言われているものの、企業側も従業員に対するコスト意識が高くなっている」 

 

 早期希望退職については、様々な意見があります。 

 

飲食業界 40代 

「昔はコロコロ仕事を変えると冷たい目もあったけど、(仕事を)選びやすいけど、その分判断を自分で考えなくてはいけない」 

 

元保険会社勤務 

定年後医療業界 60代 

「リストラという定義が少し変わって、再就職の機会という考え方が社会に浸透してくればイメージ的には今の段階ではあまり良いものにはなっていないけど、さほど悪いものでもないかと」 

 

 石油関係の会社で役員をしていたという80歳の男性は…。 

 

80代 

「バブルが崩壊して若い時に会社を整理して退社した」 

「(Q.どのくらいの規模の会社?)資本金3億円くらい。負債総額700億円くらい」 

「(Q.何人勤めていた?)300人くらい。いかに従業員に退職金を用意するかで苦労した」 

 

 

 世間ではリストラが相次ぐ中、飲食店は深刻な人手不足に悩まされています。 

 

 5代目店主・茨和宏さん、物価高騰の影響で創業以来のピンチに。 

 

そば処 丸花 

5代目店主 茨和宏さん 

「どうしても、そば店は人手がかかる。人の手が必要な商売だが、どうしても物価が上がってしまうなど人も早々に雇えない」 

 

 店の歴史は、明治時代の初期にさかのぼります。 

 

茨さん 

「川越武士だった人が江戸幕府が倒れて、明治維新の時に今でいうリストラ。武士の仕事がなくなってしまったと。そば店にコネがあって、そこを頼ったのではないかと」 

 

 現在、正社員は1人で、先代のころから厨房(ちゅうぼう)担当として約40年間働く65歳の男性です。 

 

 接客を担当するスタッフはパートタイムで、5人ほどの体制で営業しています。 

 

茨さん 

「パートの友人が『きょうは代わりに来ました』とか、店の客が『ちょっと手伝おうか』と言ってやることもある」 

 

 「人手不足」なのに「リストラ」が相次ぐ現代社会。2つの大きな問題を解決している町工場がありました。 

 

枚岡合金工具 古芝保治会長 

「すべての従業員に対して雇用を守るということを25年前に宣言。どんな不況がやってきても、皆さんの雇用を守る」 

 

 大阪市で自動車の部品などを製造する「枚岡合金工具」。25年前から「リストラはしない」と宣言して、従業員の雇用を守ってきました。 

 

 2年前に中途採用で社員になった渡辺諒さん(33)です。将来のビジョンをより明確に描けるようになったといいます。 

 

渡辺さん 

「何年後かにクビを切られると思ったら取り組めることは限られてくる。でもそれを10年先20年先を見て、自分たちがどういう工場、会社にしたいかを思い描くからこそ、雇用の守られている会社にいるからこそ、描ける未来予想図」 

 

 リストラはしないことで、会社側にも大きなメリットがあります。 

 

古芝会長 

「社員の離職率が少なくなっていく。社員が安心して働ける職場づくり、社員が成長していくことによって、社員一人一人の人間力も高まると同時に、社員が生み出す付加価値、資産価値が高まっていく。会社全体としてチーム力が高まっていく」 

 

テレビ朝日 

 

 

 
 

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