( 291469 )  2025/05/16 06:42:46  
00

セルフ式うどん店で子どもが火傷する事故が話題になっている。

一部では親の監督責任や店側の注意表示が議論されている。

セルフ式うどん店は手軽で安価ながら火傷リスクがあるため、店側や親の注意が必要とされている。

店側は警告表示や安全対策を強化し、子ども連れ専用スペースの設置など検討すべきだ。

子連れ客が増加する中で、店と客が共にリスクを理解し、事故防止に取り組むことが重要であり、セルフサービスの利便性と安全性のバランスが課題となる。

(要約)

( 291471 )  2025/05/16 06:42:46  
00

(写真: dejavu / PIXTA) 

 

■セルフ式うどんで火傷! どちらの責任?  

 

 SNSでは、たびたび、セルフ式うどん店で起きた幼児の火傷事故が話題になる。親が目を離した隙に子どもが火傷し、親が店の責任を問うケースもある一方で、「何でも店のせいにするのは違う」「火傷のリスクがある場所に子どもを連れて行くほうが悪い」という意見もある。 

 

 セルフ式うどん店とは、客自身が麺を湯に通し、出汁をかけて完成させるスタイルが特徴だ。トッピングやサイドメニューを自由に選べるため、安価でスピーディーに食事ができるメリットがある。 

 

 一方で、熱々のうどんや天ぷらを自ら運ぶため、火傷などの事故リスクがある。特に子どもを連れている場合、親が片手でトレーを持ちながら子どもに目を配るのは難しい。 

 

 SNSでの反応がこれだけ盛り上がる背景には、セルフサービスの飲食店が近年増加している現状がある。低コストかつ短時間で食事ができるため、忙しいビジネスパーソンや学生に人気が高い。 

 

 セルフ式うどん店もその一環であり、特に関西地方を中心に展開している大手チェーン店では、ピークタイムには長蛇の列ができることも珍しくない。 

 

 保護者の監督責任もあるが、店側も「お子様連れの場合は、目を離さないように」といった注意書きを掲示するなど、リスクを軽減する工夫が求められる。 

 

 事前にリスクについてしっかりと周知しておくことが重要であり、万が一事故が発生した場合には、店がどう対応するかも問われるだろう。 

 

 また、セルフ式うどん店以外にも、立ち食い店や狭いカウンター席など、子どもには不向きな飲食店は多い。子連れを断る店もあり、客側は必ずしもすべての飲食店がファミリー向けではないことを理解する必要がある。 

 

 特に、熱々の鉄板を使用したり、辛味の強いスパイス料理を提供したりする店など、子どもの安全を考慮すると、避けたほうがよい業態も存在する。 

 

 また、親も子どもを抱っこしている間は料理を運ばないなど、安全を優先した行動が必要であり、子どもが不意に動くことでほかの客にも影響が出るため、特に混雑時には注意が求められる。 

 

■店側にもできる工夫がある 

 

 店としては、火傷リスクを明確に警告する表示を増やし、子どもが手を伸ばしにくい高さのカウンターを設けるなどの工夫が考えられる。 

 

 

 セルフサービスの工程をできるだけシンプルにし、提供場所から席までの動線を安全に確保することも重要だ。 

 

 さらに、親が子どもの行動を管理できるよう、店が子連れ専用スペースを用意することも考えられる。専用エリアであれば、周囲に配慮しつつ、食事ができ、子どもが火傷しにくいよう配膳カウンターを工夫することもできるだろう。 

 

 事前にウェブサイトなどで「小さな子ども連れのお客様へ」といった注意喚起を行うことで、来店前にリスクを認識させる取り組みも効果的だ。 

 

 セルフ式うどん店は手軽さと安さが魅力だが、火傷リスクが伴うことも事実。店の安全対策と親の注意が両立してこそ、安全な食事環境が実現する。子連れ客が増加する中、店と客が共にリスクを理解し、事故防止に努めることが大切だ。 

 

 飲食店の多様化が進む中で、セルフサービスの利便性と安全性のバランスをいかに取るかが、今後の課題となる。 

 

東龍 :グルメジャーナリスト 

 

 

 
 

IMAGE