( 291654 )  2025/05/17 05:13:47  
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農林水産省は政府備蓄米の放出に関して、卸売業者による流通段階でのコストが増加していることを示す分析結果を公表した。

2022年産米の販売価格には経費や利益が最大3倍に上乗せされており、卸売業者から小売業者に転嫁されている。

農水省は業者に通常の米の流通との違いを理解するように促し、業界では物流コストの上昇による要因も考慮すべきだとの意見が出ている。

(要約)

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(写真:読売新聞) 

 

 農林水産省は16日、政府備蓄米の放出を巡り、売り渡し後の流通段階におけるコストの分析結果を発表した。卸売業者の段階で、経費や利益の上乗せ分が2022年産米の最大3倍超と大きくなっていることがわかった。 

 

 農水省によると、3月17日~4月13日に流通した備蓄米は、集荷業者による平均落札価格が玄米60キロ・グラムあたり税抜き2万1246円。これに対し、卸売業者への販売価格は2万2207円で、差し引き961円が経費や利益として上乗せされていた。これは22年産(最大2400円)の水準を下回った。 

 

 一方、卸売業者の段階では、小売・外食業者などに2万9800円で販売しており、上乗せ分は7593円に上った。22年産(2206~4689円)と比べて1・6~3・4倍となり、上乗せ分が大きくなっていた。 

 

 卸売業者からは「物流コストが相当上昇している。価格競争よりも安定供給が求められるようになり、適正な価格転嫁ができるようになった」との声が上がっている。 

 

 江藤農相は16日の閣議後記者会見で「備蓄米は国民の財産だ。通常のコメの流通とは違うということをぜひ理解してほしい」と述べ、業者側に対応を促した。 

 

 日本国際学園大学の荒幡克己教授は「輸送費や物価高騰の影響もあり、(卸売業者に)経費が多くかかっている可能性がある」と指摘し、上乗せ額の多寡について「慎重に見極める必要がある」と話した。 

 

 

 
 

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