( 291837 ) 2025/05/18 03:44:04 0 00 すき家
飲食店内で、利用客や店員らが不衛生な行為を撮影した動画が拡散する事例が後を絶たない。大阪市内にある牛丼チェーン「すき家」の店内で、女性客が備え付けのピッチャー(水差し)に直接口をつけて飲んでいた動画が拡散し、大阪府警は5月、16歳の少女2人を書類送検した。こうした不衛生行為について専門家は「やめさせることは難しい。企業イメージの棄損が大きい分、企業側には対策が求められる」と警鐘を鳴らす。
「全然飲めてな~い、ぐぐっと~、ぐぐっと~」
飲食店内で、撮影者とみられる女性のコールを受けながら、もう一人の女性がピッチャーを両手で持ち上げ、直接口をつけながらお茶を一気飲みしている。こんな動画が2月以降、インターネット上で拡散し、大阪府警は動画などから16歳の少女2人を特定し、5月に威力業務妨害容疑で書類送検した。
飲食店内で撮影されたこうした不衛生な行為がネット上に拡散する事例は後を絶たない。
波紋を広げたのが、令和5年1月、回転ずしチェーン「スシロー」の岐阜県内の店舗で起きた事例だ。当時高校生の少年が醤油差しの注ぎ口をなめるなど迷惑行為を行い、撮影した動画が拡散。少年は書類送検され、店舗側は食器の洗浄などの対応に追われた。
「はま寿司」や「くら寿司」の回転ずしチェーンでも同年、山口や愛知県内の店舗でそれぞれ、類似の迷惑行為が相次いだ。
牛丼チェーン「吉野家」でも同年、大阪市内の店舗で、紅しょうがの容器に直接箸を入れ、口に運ぶ様子を撮影した動画がSNSに投稿された。令和6年には、東京・歌舞伎町の「七輪焼肉安安」で客のホストの男性がジョッキに放尿する様子を撮影し拡散。運営会社が地元の警察署に被害届を提出した。
こうした迷惑行為の動画投稿は利用客だけでなく、従業員によるものも相次いでいる。
今年2月、しゃぶしゃぶチェーン「しゃぶ葉」の埼玉県内の店舗では、アルバイトの従業員がホイップクリームを口に流し込む様子の動画が投稿された。「ドミノ・ピザ」の兵庫県内の店舗では昨年2月、アルバイト従業員が自らの鼻に入れた指でピザ生地を触る様子が拡散し、店舗は営業を停止した。
これら一連の行為は衛生面での重大な問題を引き起こすだけでなく、企業の信頼性やブランドイメージを大きく損なうとして問題となっている。
飲食店の問題に詳しい石崎冬貴弁護士は、「悪ふざけをSNSに上げるといった行為は抑止が難しく、どうしても起きてしまう」と前置きし、「行為の軽率さに比べて企業側が受けるダメージは大きく、企業側が対策を強化しなければならない」と話す。具体的には、備品や食器を使い捨てにすることや、個包装にするなどの対策が考えられるとしている。(外崎晃彦)
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