( 292780 ) 2025/05/21 06:45:45 1 00 コメの平均価格が再び値上がりし、供給量がギリギリで、事実上の「減反政策」が続いている可能性がある。
稲垣さんによると、わずかな供給不足でも価格が上がるリスクがあり、コメの供給不足が価格高騰の一因となっている。 |
( 292782 ) 2025/05/21 06:45:45 0 00 コメ平均価格、再び値上がり… 供給量はギリギリ?今も事実上の“減反政策”か
スーパーのコメの平均価格が再び値上がりに転じた。そもそも、コメの供給量がギリギリに設定され、今も事実上の「減反政策」が続いているとの指摘もある。コメ生産量の決定には、政府の影響が大きいとされている。
減反政策とは、コメの価格を安定させるために田んぼの面積を減らし、コメの生産量を調整する政策だ。1971年〜2018年まで実施され、現在は廃止されたものの、2018年以降もコメからの転作に補助金を出して農家に需要見直しを示すなど、生産量が調整されている。
そのため、農業政策に詳しい三菱総合研究所・研究理事の稲垣公雄さんによれば、わずかな供給不足でも価格が高騰してしまう恐れがあるという。
2023年は酷暑の影響でコメの品質が低下した。コメ卸は、精米時に白米として残る割合が通常よりも少なくなることを見越して多めに調達した。それでも需要に対して約5%供給が不足した。
稲垣さんによると、「コメは供給が少し減ると、価格が非常に上がる。『わずか5%』ではなく『5%も』の供給逼迫(ひっぱく)と考えるべき」と指摘している。
こうした生産調整による供給不足が、価格高騰の一因であることを石破総理も認めた。19日の参院予算委員会で「供給そのものがぎりぎりになっている」「コメは価格弾力性が小さいため、供給の変動によって価格が大きく振れる」と語った。
日本のコメ農家の中には、現場から変革を実践し、コスト削減と効率化でコメを安く作る攻めの農家も出てきている。
日本のコメ農家を巡っては、規模拡大の流れが進んでいるという。日本の農家や農業法人などの数は約107万、農産物販売金額1位が「稲作」で55.5%を占めている。
稲垣さんによれば、時代によって農家のタイプに変化がある。昭和に一般的だったのは「小規模兼業農家」。平成には20ヘクタール弱(東京ドーム4つ分)程度を耕作する専業農家。令和は30ヘクタール以上を耕作する「令和的大規模専業農家」が登場している。
小さい農家が廃業し、大規模農家に集約される流れが進み、全体の3%に過ぎない20ヘクタール以上の農家で、38%の面積を耕作しているという。
この大規模化によって、“攻めの農業”も実践されている。鳥取市でコメ作りをしている徳本修一さんの農業法人は、約100ヘクタール(東京ドーム21個分)の農地をわずか3人で運営している。
そのために様々な最新技術を導入している。まず、水を張らない乾いた田んぼに直接種もみをまく「乾田直播(かんでんちょくはん)」という栽培方法を採用し、苗づくり、田植え、水の管理が不要となり、時間短縮にもつながっている。
さらに衛星とAIで生育状況を分析。必要な場所に肥料を自動散布することで、肥料を1割減らし、収穫量を1割増やせるという。
また、トラクターもGPSによる自動運転が可能で、田んぼ1枚あたりの労働時間は通常25〜30時間のところ、約5時間まで短縮されたという。
こうしたコスト削減によって、安いコメが実現している。徳本さんによると、コメ1キロの生産費用は全国平均約266円のところ、徳本さんは約100円。収益が出るコメ5キロの販売価格は、一般的な農家が3000円のところ、徳本さんは2000円以下にできるという。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年5月20日放送分より)
テレビ朝日
|
![]() |