( 293320 )  2025/05/23 07:00:38  
00

政府は政労使会議で、最低賃金を2020年代までに全国平均で1,500円にする目標に向け、企業の生産性向上策など総合的な施策を提案した。

しかし、昨年の5.1%増を超える目標に難色を示す使用者側がおり、目標達成は困難となっている。

石破茂首相は実質賃金の上昇を新たな社会通念として定着させると宣言し、最低賃金の1500円達成に意欲を示したが、官公需でも対応が難しいとされている。

(要約)

( 293322 )  2025/05/23 07:00:38  
00

政労使会議で発言する石破茂首相(中央)=2025年5月22日午後6時43分、首相官邸、岩下毅撮影 

 

 政府は22日の政労使会議で、最低賃金を全国平均で「2020年代1500円」にする目標に向け、企業の生産性向上策など総合的な施策を示した。ただ、過去最高の上げ幅だった昨年の5.1%増を超える目標に、人件費高騰に頭を抱える使用者側は「実現不可能」と突き放しており、目標達成の道筋は険しいままだ。 

 

 この日、首相官邸であった会議で、石破茂首相は「実質賃金で1%程度の上昇を新たな水準の社会通念として定着させる」と宣言し、最低賃金の「全国平均1500円」の実現に意欲を示した。 

 

 会議では、中小企業の業種別の対策を示した「賃金向上推進5カ年計画」を政府が説明。人材不足が深刻で、最低賃金の影響を受けやすい飲食業などの12業種では、業種ごとに労働生産性について数値目標を設定し、ロボットなどへの省力化投資を国が支援する。 

 

 医療や介護、保育など、公定価格が定まっている業種では「公定価格の引き上げ」を掲げ、最低賃金の引き上げにつながる環境整備に取り組む姿勢を示した。 

 

 公共事業などの官公需でも、最低賃金の引き上げに対応できるような仕組みを導入。自治体の入札などでは、物価や最低賃金が上がっても、取引価格を引き上げられないことが多かったが、「国などと自治体の双方が必要となる予算を確保する」とした。 

 

 政府は、こうした総合的な取り組みを通じて、目標を実現させたい考えだが、ハードルは高い。 

 

朝日新聞社 

 

 

 
 

IMAGE