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クルマのタイヤは重要な要素であり、価格には幅があります。

安いタイヤから高いタイヤまでさまざまな選択肢がありますが、価格によって性能にも違いがあります。

国産タイヤでも安いものは性能が十分であり、高いものほど燃費性能や乗り心地などの付加価値があると言えます。

一方、アジアンタイヤなどは日本製に比べて耐久性や性能において劣ることがあります。

過去の事例では、安いタイヤを装着した結果、雨天時の性能が低下して事故につながった例もあります。

安いタイヤを選ぶことにはリスクが伴うため、十分な検討をした上で購入することが重要です。

(要約)

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※写真はイメージです 

 

クルマを維持するうえで大切な存在となるタイヤ。車種にもよりますが、いざ交換するとなると、数万円から10万円以上の出費になることもザラです。量販店やECサイトを見ていると安いタイヤから高いタイヤまで様々ありますが、これらに大きな違いはあるのでしょうか。今回は、ディーラー勤務経験のある筆者が、タイヤの値段による違いをわかりやすくお伝えし、ディーラー時代に実際にあった、安いタイヤを履いたことによる悲惨な末路を紹介します。 

 

同じクルマに合うサイズでも、ピンからキリまで値段が異なるタイヤ。筆者が乗っている日産セレナでも、1本1万円もしないものから3万円以上するタイヤまで幅広いラインナップがあります。 

 

国産メーカーに限った話をすると、安いタイヤでも十分な性能を発揮します。ただ、値段が高くなればなるほど、燃費性能が向上したり、走行中のロードノイズ(雑音)が軽減されたり、乗り心地が良くなったりと、付加価値がつくようになります。新車で装着されているタイヤは松竹梅でランクづけすると、だいたい竹と梅の間で、可もなく不可もない性能といえます。新車装着よりも高い性能のタイヤを装着すると、クルマに興味のない人が乗ってもわかるくらいに乗り心地が変わるでしょう。 

 

国産タイヤの最安グレードよりもさらに安く買えるのが、中国をはじめとしたアジア各国のメーカーが出しているタイヤです。正直なところ、“タイヤなんて付いていればなんでもいいよ”と思う人が買うタイヤです。 

 

タイヤのグレードによっては乗り心地が大幅に悪くなる、摩耗速度が早いなどの弊害が生じることもあるでしょう。アジアンタイヤは、新品状態の半分までタイヤを使うと性能が大幅に低下するから交換した方がいいとも言われるほど、寿命が短いものもあるようです。 

 

クルマを通勤などで日常的に使っている人、完全に磨耗する前にタイヤをこまめに交換する手間を惜しまない人ならアジアンタイヤはお勧めですが、ある程度こだわりがある人は国産メーカーのタイヤを購入しておくのが無難です。 

 

 

最後に筆者がディーラーに勤めていた2010年代初頭に本当にあった話を紹介します。 

 

国産スポーツカーの筆頭的な存在のスカイラインGT-Rに乗っていたお客様は、タイヤ代がもったいないとのことで、アジアンタイヤを愛車に装着していました。雨が降る休日、首都高速を走行していたところ、道路の継ぎ目でタイヤが滑りコントロール不能に陥り、壁に接触してクルマが大破しました。アジアンタイヤが悪いというわけではありませんが、当時からこれらのタイヤは雨天時に性能が極端に低下すると言われているほど、滑りやすいタイヤでした。 

 

もしこのお客様が国産のウェットグリップ性能が高いタイヤを履いていたら、このような事故は起こらなかったかもしれません。数万円のタイヤ代を節約したことで愛車がボロボロになってしまう可能性があるというのは、忘れてはならないことでしょう。 

 

もちろんアジアンタイヤ全てが悪いということではありません。しかし、安いものを買うということは、それなりのリスクが伴うことをご理解いただきたいところです。近年のアジアンタイヤや海外メーカーのタイヤは性能が向上していると聞きます。ユーザーの口コミなどが容易に手に入る世の中ですから、しっかりと調べたうえでタイヤを買うことをおすすめします。 

 

<文/宇野源一> 

 

【宇野源一】 

埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。X(旧Twitter):@gengen801 

 

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