( 294375 )  2025/05/27 06:07:29  
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茨城県の農業情勢について、JA茨城県中央会の八木岡努会長は、政府備蓄米を任意業者との契約で安定供給することに慎重な姿勢を示した。

県内の備蓄米は精米換算で約370トンあり、それのうち90トンが市場に流通しているという。

八木岡会長は、備蓄米が安価過ぎると持続可能な農業ができなくなる恐れがあるため、生産振興も含めた対応が必要だと話した。

(要約)

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茨城県内の農業情勢について話す八木岡努会長=2025年5月26日、水戸市、原田悠自撮影 

 

 農林水産省が、政府備蓄米を任意業者との「随意契約」で放出することで店頭価格を5キロで税込み2160円程度(税抜き2千円程度)に抑えられるとしたことについて、JA茨城県中央会(水戸市)の八木岡努会長は26日、「ブランド米の価格が高止まりしているなか、すべての消費者に安定供給できるかどうか心配だ」と懸念を示した。 

 

 この日、同会が主催する農業情勢についての記者懇談会が市内であり、報道陣の取材に答えた。 

 

 同会によると、県内の農協などで取り扱う備蓄米は、3月の1、2回目の入札分で精米換算にして約370トン。このうち今月14日時点で県内のスーパーやJA直売所などに流通したのは、4分の1程度の約90トンにとどまるという。 

 

■「生産振興も併せてやって」 

 

 大量の備蓄米を精米工場に運ぶため流通までに時間がかかる上、人件費や輸送コストの上昇も追い打ちをかけているという。 

 

 JA側は今後も備蓄米を一時的に大量販売するのではなく、精米売り場の棚が空かないよう平均的に販売できるよう出荷する、としている。 

 

 こうした状況下で、比較的安価な備蓄米が放出される見通しであることについて、八木岡会長は「需要と供給の折り合いから、5キロ3千円~3500円が値頃だと思う。備蓄米が2千円台で販売されると、持続可能な農業ができなくなる。生産振興も併せてやってもらいたい」と述べた。(原田悠自) 

 

朝日新聞社 

 

 

 
 

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